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 コンビニエンスストアの店舗競争力を示す、最も端的な指標といわれる平均日販(1店舗・1日当たりの売上高)。業界トップを独走するセブン-イレブン・ジャパンは2015年度(16年2月期)に既存店ベースで70.3万円と、悲願の70万円超えを果たした。


 業界2位のローソンは50万円台半ば、ファミリーマートは50万円台前半といずれも20%以上の開きがあり、この差が縮まらない限り王者セブンの独走態勢は変わらない。

その大きなけん引役となっているのが、13年から全国販売を開始したカウンターコーヒー「セブンカフェ」だ。


 挽きたて、入れたての味と香りを1杯100円(レギュラーサイズ)という手軽さで楽しめる点が支持され、今では1店舗当たり平均で1日120杯以上を売る。単品で1日10個売れていれば売れ筋とされるコンビニ業界にあって、セブンカフェがいかにお化け商品であるかがわかる。


 15年度のセブンカフェの販売総数は約8億5000万杯、売上高は930億円に達した。コンビニのカウンターコーヒーの市場規模は1570億円程度と言われるから、セブン単独でほぼ6割の市場シェアを握っていることになる。


 しかし、そのセブンカフェにも意外な弱みがある。パンストや傘と同じように単独での購入が多く、他の商品との買い合わせ、いわゆる関連購買が少ないことだ。


 そこで買い合わせ商品として新たに投入されたのがオリジナルのドーナツ「セブンカフェ ドーナツ」だ。14年11月から関西で先行販売されたドーナツは、カウンターに設置した専用什器で販売。価格は1個100円からと、ミスタードーナツなどの専門店に比べて手頃で、当初は1日100個前後が売れる好スタートを切った。


 ところが、全国展開が完了した15年8月頃には早くも失速。てこ入れを任されたのが商品本部のエース、中村功二シニアマーチャンダイザー(当時、現飲料・加工食品部総括マネジャー)だ。

「発売以降もコンスタントに新商品を出していたが、アメリカ的なドーナツに執着しすぎていた。われわれは元々、ドーナツを売りたかったわけではなく、セブンカフェを基軸として新しい食シーンを提案したかった。その原点に立ち返りました」


 セブンイレブンお家芸といえば、原材料メーカーや生産メーカー、製造機器メーカーなど、取引先を巻き込んで一から商品開発を行うチームMD(マーチャンダイジング)がよく知られるが、ドーナツ刷新に当たってはチーム編成を見直して新しいメンバーも加え、「食感や原材料、製法もすべて変えました」(同)。

 製粉メーカーを1品ごとに変えたり、時間が経つと湿気を吸ってベタつくきな粉の乾燥状態を保てるよう製法を工夫したりと、いくつもの困難を乗り越えながら16年1月から全面リニューアル販売を開始。売上はリニューアル前の2倍以上に跳ね上がり、現在も1.3倍のペースで推移している。


 石橋誠一郎・取締役商品本部長は、ドーナツの売れ行き拡大のカギを「継続的に新商品を投入することにある。最低でも毎月2品は出す」としており、今後も黒ごまや抹茶、黒糖を使ったドーナツなどの発売を検討している。

 現在、ドーナツよりもセブンカフェとの同時購入の比率が高いのが、おにぎりとロールパンだ。おにぎりは昨年4月に全面刷新をした。この5月には、専用工場から直送する常温販売のパンも全面リニューアル販売する。

 あわせて、セブンカフェそのものも、高級豆の使用量を増やすなど価格を据え置きながら品質アップを図る。さらに一部エリアでは、カウンターフードとしてスコーンやマフィンのテスト販売も行っている。

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