横須賀に拠点を置くアメリカ海軍第7艦隊の艦船、ブルーリッジが6日、中国との軍事交流のため上海の軍港に寄港し、第7艦隊のアーコイン司令官がメディアの取材に応じました。
この中でアーコイン司令官は、南シナ海における米軍の活動について「国際法が認める範囲で航行や飛行を行い、過度な海洋での主張には意義を申し立てる」などと述べ、この海域で海洋進出を進める中国をけん制しました。
一方、先月、アメリカ軍の空母が中国政府から香港への寄港を拒否されたことについて「ささいな障害」と表現し、「関係の妨げにはしない」と述べました。そのうえで、アメリカ軍が主催して行われる、ことしの多国間軍事演習「リムパック」に中国海軍がおととしに続いて参加を予定していることなどに触れ、南シナ海を巡って対立が続くなかでも米中の軍事交流を深めることの重要性を強調しました。
アメリカ太平洋艦隊のスウィフト司令官は6日、首都ワシントンで講演し、南シナ海の現状などに言及しました。
この中でスウィフト司令官は、南シナ海で中国が造成する人工島の周辺などにアメリカ軍の艦艇を派遣する「航行の自由」作戦で、艦艇が「海上民兵」と呼ばれる集団が乗り組む船舶に取り囲まれるケースが続いていることを明らかにしました。
この「海上民兵」について、アメリカ海軍の研究機関の専門家は、一般の漁船や商船を使用しているものの、乗組員の中には中国軍の軍人や元軍人の姿も見られるとして、実質的には中国軍の指示で活動している可能性があると分析しています。
スウィフト司令官は「中国海軍の幹部との協議で、海上民兵に対するわれわれの懸念について話し合った」と述べ、こうした中国側の活動に懸念を示しました。
アメリカ軍と中国軍は海上での偶発的な衝突を防ぐための規範などを取り決めていますが、「海上民兵」は対象に含まれておらず、スウィフト司令官は引き続き中国側と対応を協議する必要があるという考えを示しました。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160502#1462185682