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ドラギ氏に意外な支援者、ドイツ連銀総裁がECB擁護 | ロイター

イトマン総裁は、潤沢な流動性供給とマイナス金利政策、資産買い入れの組み合わせの組み合わせでユーロ圏の景気を刺激しようとするECBを長らく批判してきた。しかし、ドイツのショイブレ財務相が前月、ECBの政策がドイツ国民を苦しめ、欧州連合(EU)懐疑派の右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進を手助けしていると非難すると、ワイトマン氏は突然、ECBの擁護に回った。


ECBに対する融和的な姿勢について、ワイトマン氏やドイツ連銀はコメントを避けた。


イトマン氏の支持を得たことでドラギ総裁はひとまず安心できるといえるが、ECB政策理事会の関係筋8人が語ったところによると、ドラギ総裁の緩和的な政策運営姿勢に対するドイツ連銀の敵対的な立場は変わってはおらず、むしろ、今後の論争に向けて備えているのだという。


景気刺激策がさらに必要かどうか、既存の政策をどう縮小するか、ECBが次の大きな議論を控える中で、ワイトマン氏はECB内で影響力を取り戻そうとしているのだろうと関係筋は解釈している。


関係筋の一人は、ワイトマン氏がこれまでECBの決断を批判してきていることや、時には政策発表の数時間以内に非難のコメントを出したこともあることを挙げ、「ワイトマン氏はECBの政策を妨害役として振舞い、合議で決めた政策判断を公に批判してきたため、政策理事会内で影響力を失った」と話す。


イトマン氏は長い間、ドラギ総裁の緩和的な政策は不要だと述べてきたし、インフレ見通しが常に目標を下回っていることについても、基調的な数字は良く心配することではないとしてきたが、徐々に態度を変え始めている。4月には、ECBの緩和的な姿勢が「適切だ」とした。


今では、インフレ圧力が「非常に」弱く、2%とするインフレ目標を長い間達成できないようならば、ECBの信認が損なわれると発言。コアインフレ率の上昇が、基調的物価の伸びを示唆しているとして、金利据え置きを求めてきた以前の主張を転換した。


理事会メンバーの一人は「(昨年)10月と12月に挙げられたリスクの多くが現実化した。ワイトマン氏は、ECBが行動に移したことは間違いではなかったことに気づいたのだろう」と述べる。


イトマン氏に近い関係筋によると、同氏はショイブレ財務相が激しい口調でECBを批判したことでひどく気分を害したという。政治家が金融政策について口出しする際の一線を越え、ECBの独立性を侵害したと思ったのだという。


ただ、同じ関係筋によると、ワイトマン氏はより融和的・協調的になったものの、量的金融緩和やさらなる景気刺激策に根本的に反対するドイツ連銀の基本姿勢に変わりはない。


イトマン氏の態度の変化はむしろ、態勢を立て直し、協調体制を構築するのが目的だという。同氏の政策姿勢は少数派で、その態度は時として他者を遠ざけてきた。


ドイツでは多くの人々が、ドイツはECBに対する影響力を欠いているとみており、ある保守派の重鎮議員はECBの次期総裁はドイツ人であるべきだと発言している。


ECBの専任役員会には2018─19年度に空きが出る。ワイトマン氏に近い関係筋によると、同氏はその空きを狙っているのだという。

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