このうち、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士主任研究員は、「安倍総理大臣の『リーマンショック前』というのはたとえだと思うが、新興国経済がリーマンショックの前ほどに悪くなっているとして、対処しないとひどい状況になることを示していると思う。先進国の経済政策に、新興国経済は無視できないことが示されたことが重要だ」と話しています。
そのうえで片岡さんは、「新興国の成長への期待が低下するなかで、先進国が需要を喚起する方向で合意することは大事だ」と話しています。
一方、BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、「新興国や資源国バブルが崩壊する懸念があって、世界経済がリスクを抱えているのは事実だが、リーマンショックの前の状態かと言われれば事態は違う。ひところに比べれば、混乱は収まっており、例えば、アメリカでは利上げが検討されているが、リーマンショック級のリスクがあれば、そのようなことはできない」と話しています。
そのうえで、河野氏は、「日本の成長率が低いことは潜在成長率がゼロの水準まで低下していることが原因で、成長率を高める政策が必要だ」と話しています。