米資産運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO、ピムコ)は1日、現在導入されているゼロ金利政策や他の非伝統的な金融政策について、世界的な経済成長を維持するためには不十分となるリスクがあると警告した。
ピムコは年次「セキュラー・フォーラム」報告で、成長が低迷するなか債務が金融危機前の水準を上回っていることを踏まえると、金融政策で世界的な安定を保てなくなった場合の代替策はないと指摘。
世界経済は現在、ゼロ金利政策(事実上のものを含む)、量的緩和策、および中国を含む一部新興国と欧州周辺国の押し上げ効果という3つの要因に支えられている「不均衡な」状態の上に立脚しているが、この3つの要素すべての効果が低減するなか、非伝統的な政策に伴う費用は増大しているとの見方を示した。
ピムコはこうしたことを踏まえると、米経済成長率は向こう3─5年は1.5─2%、もしくはこれをやや上回る水準になると予想。
インフレ率は2%近辺になるとし、連邦準備理事会(FRB)はフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を「新たな中立的なレンジ」である2─3%に向け緩やかに引き上げていくとの見方も示した。
そのうえで「一部先進国の金融政策の効果枯渇と債務増大は、世界的な景気回復と金融安定に対する脅威となっている」と警告した。
同報告の執筆にはピムコのグループ最高投資責任者(CIO)、ダン・アイバシン氏も関わっている。
同氏はFRBが今月利上げに踏み切る確率は5分5分との見方を示している。
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