「資金繰り予定表」で資金繰りの不安を解消する!|ビジネスにいちばん使える会計の話|ダイヤモンド・オンライン
ビジネスの基本に「PDCAを回す」という行為があります。
計画(Plan)して、実行(Do)して、計画値と実績値の差を検証(Check)して、改善しながら行動(Action)することの大切さを伝えています。
失敗したあとには「後始末」をしますが、これには相当な時間とお金がかかります。それよりも、失敗しないように計画を立てて十分に準備することが大事です。これをユニクロでは「前始末」と呼びますが、前始末には後始末ほど時間もお金もかかりません。そして、お金の前始末が、翌月以降のCF(キャッシュフロー)の予測(計画)を立てるということです。
今後のCFの動きを予想して「予定キャッシュフロー計算書」を作ってもよいかもしれませんが、キャッシュフロー計算書はBSの科目を抜きだして作るので、1年単位がふつうです。1年単位ではなく月単位でお金の動きを予測して、不足しそうなら銀行から借り入れる、ムダな支出をやめる、仕入れを減らすなど、実際の行動に移さなければなりません。そのためには、毎月末に翌月以降の現金の出入りを予測して作る「資金繰り予定表」がいちばん適しています。
資金繰り予定表は、お金の動きを「経常収支」と「財務収支」の二つに分けて、PLの各科目の数値から資金の動きを予測して作ります。
一方の「財務収支」では、これまでに計算した「経常収支」に対して財務的にどう対処するかを検討します。経常収支がマイナスで資金が足りないとしたら、銀行から○月にいくら借り入れようとか、増資や社債を発行しようかと検討し、「財務収入」を記します。逆に経常収支がプラスなら、借入金を予定より早く返済することもできるので、通常の返済予定額と合わせて「財務支出」を記します。
毎月の経常収支を予定して見ていけば、財務収支でどのような手を打てばよいかがわかります。とくに銀行借入れは、金額によっては銀行内の稟議に時間がかかる場合もあるため、早めに申し込んでおく必要があるでしょう。