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“ヘイトスピーチの可能性” 反対派と言い争いに デモ中止 | NHKニュース

デモを計画したのは川崎市内に住む男性で、5日午前11時ごろ、待機場所となっていた川崎市中原区にある公園周辺に数十人が集まりました。現場には、デモでヘイトスピーチが行われる可能性が高いとして反対する人たちおよそ数百人も集まり、にらみ合ったり、激しく言い争ったりする状況になりました。
このため警察が、主催者側に「デモを実施すると危険な状態になる」と説明したところ、主催者側がデモの中止を決めたということです。
主催者の男性を巡っては先月、川崎区の2つの公園で計画していた集会について、公園を管理する市が「ヘイトスピーチが行われる可能性が高い」として使用を認めない異例の措置を決定し、男性らは今回の中原区でデモを行う計画を県の公安委員会に申請し、認められていました。
また、今月2日には、裁判所がデモの主催者の男性らに対し、川崎区にあり、在日韓国人が理事長を務める団体の施設周辺でデモを行うことや大声を張り上げて差別的な意識を助長する行為を禁止する仮処分の決定を出していました。

デモの主催者側の53歳の男性は、「きょうのデモにはおよそ50人が参加する予定でしたが、警察に『一般の人の安全の確保ができない』と言われて、主催者側としてデモの中止を判断しました。道路使用の許可を取ったのにデモができないのは言論弾圧だ」と話していました。

デモに反対し、裁判所から半径500メートル以内でデモを行うことを禁止した仮処分が出た団体の施設に勤務する在日韓国人の崔江以子(チェ・カンイヂャ)さんは、「ヘイトスピーチを許さないと、たくさんの仲間と共に訴え、きょうのデモは中止になりましたが、今後もデモが行われないように求めたい。
全国でつらい思いをしている人たちが少しでも希望を感じてくれたらうれしい」と話していました。

デモの実施の申請があった場合、各地の公安委員会は都道府県の条例に基づいて許可するかどうか判断しますが、警察庁によりますと、表現の自由に配慮して、公共の安全が保てない場合など以外は許可していることがほとんどだということです。
3日に施行された、ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動をくり返す街宣活動を解消するため国の責務などを明記した法律でも、こうしたデモなどを直接、禁じる規定や罰則は盛り込まれていません。
一方、警察は、これまでも名誉毀損や暴行など違法な行為を確認した場合は、厳正に取り締まってきました。
今回、法律が施行されたことを受けて、警察庁は改めて全国の警察に指示し、差別的な言動を解消するため取り組みを進めるよう求めています。