アメリカの民間企業、ビゲロー・エアロスペース社が開発した「宇宙ホテル」の試験機は、ことし4月、ロケットで打ち上げられて、国際宇宙ステーションに取り付けられました。
この試験機は、空気が注入されると、円柱形に折りたたまれた部分が風船のように膨らみ、居住空間ができるのが特徴で、先月28日、膨らませる作業が無事に完了しました。
6日、宇宙飛行士2人が、試験機のハッチを開けて、初めて居住空間に入りました。
試験機は全長4メートル直径3.2メートルあり、中に入った宇宙飛行士は、「内部は完璧な状態だ。ひんやりしている」と話し、早速、内部の空気を採取したほか、試験機に取り付けられた装置から、膨らます作業を行った際のデータを回収しました。
ビゲロー・エアロスペース社は、将来、一般の顧客を宇宙に滞在させる「宇宙ホテル」の運営を目指していて、アメリカのNASAも、火星の有人探査の実現に向けた新しい技術として活用できないか、期待を寄せています。
試験機には、今後2年間、定期的に宇宙飛行士が中に入って、宇宙を飛び交う放射線を防ぐ性能や内部の温度の変化などの安全性を検証することになっています。