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みずほFGの過激人事改革は銀行文化への“宣戦布告” 佐藤康博みずほフィナンシャルグループ社長・CEOに聞く|Close-Up Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

「銀行産業において、慣行として行われてきた年功序列制度を徹底的に崩す」

「日本の銀行の人事というのは、45歳くらいまではみんな一緒に出世していき、最後にピラミッドのようにそぎ落としていくんです」


「ただ、これだと高い能力を持つ若い人にとっては成長のチャンスが限られてしまう。そこで、30代半ばから後半くらいの年代でも、支店長を含めて上のポストに登用して活躍してもらう考えです」


「それは、年下の上司や年上の部下という年次の逆転現象が出てくるということです。日本の金融機関はこれを嫌がる風土があるわけです(苦笑)。ですが、それをやっていこうと」


「ただし、そうなると年次を逆転された年上の人たちが意欲を失って働かなくなる恐れがあって、それは困ってしまう。また、銀行では50代で行員を出向などで外の会社に出してしまう。そういうことだと、これから若い人たちも数が少なくなってくる中で、もったいない部分もあるわけです」


「たまたま出世街道からは外れてしまったかもしれないけれど、能力も経験もある。だから、しっかりと自分のエクスパティーズ(専門知識・技能)を持っている人には、65歳までちゃんとした処遇と機会を与えて、みずほの中で働いてもらうつもりです。そうすれば、年功序列制度が崩れたとしても、むしろ組織は活性化していくんじゃないかと思います」

 佐藤が意識しているのは、エクセレントカンパニーの呼び声高い、米ゼネラル・エレクトリックの研修施設だ。「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」、通称「クロトンビル」は最高峰の企業内リーダー育成機関と評され、佐藤もその研修に参加して感銘を受けた経験を持つ。

「40代半ばくらいからの年代を対象に、本当の経営リーダーを育てていきたい。そのための特別な研修プログラムを作って、7月から始めます」


「どういうものかというと、金融ではなくて、例えば哲学や歴史などを学んでもらうと同時に、社外での経験も含めて、これまでのキャリアとは全然違う仕事をすることで、視野や人脈を広げてもらうことも検討しています。それから、社内でものすごく難しい仕事をやらせてみて、胆力や決断力を養っていく」


「私がその研修プログラムの“校長”になります。その肩書が『CEO』。Chief Educational Officer(最高教育責任者)という肩書なんです。そして、そのプログラムを勝ち残ってきた人間がカンパニー長になったり、場合によっては最後にグループCEOになったりする。やはりグローバルに活躍するメガバンクのトップは、決断力や胆力、個人の魅力を鍛えないといけない」


「みずほでは、『スーパー30』という(世界の超優良非日系企業にトップ営業をかける)戦略に取り組んでいます。(米総合化学品メーカー)ダウ・ケミカルや(米IT企業)IBMのトップ、(中国の電子商取引最大手)アリババ集団の創業者であるジャック・マー会長などと、みずほのグループCEOは一対一で話します」


「そのときに、結局はその個人が魅力的だとか、語らせたら一家言あるなと思われないと、トップ同士の関係は築けないんですね。そうすると、若いころからの訓練が必要で、そのための特別プログラムを7月からスタートします。これも今度の人事改革の目玉です」

「旧みずほコーポレート銀行の頭取になってから、もう7年になるんですよ。みずほFGの社長、これももう5年ですね。まあそれほど長く普通はやらないですよ。普通はね(苦笑)。だから、次の後継者というのは大きな問題です」


「われわれは形式だけでなく、本当の意味での指名委員会等設置会社で、というのも、社外取締役とものすごく議論しています」


「後継者問題は指名委員会での議題ですが、みずほは指名委員会が全員社外取締役で、そこでどういう人物がトップになるべきかずいぶん議論しています。社外取締役には実際に候補者になり得るような人たちとも、分からないように面談してもらっています。だからトップ交代の準備はしています。交代のタイミングを決めるのも私ではなく、社外取締役です」

 佐藤は年功序列と並ぶ銀行の文化、「減点主義」にも風穴を開けたい考えで、「失敗からの学びを評価する」という文言を新中計に書き込んだ。しかし、人事評価で一度“バツ”が付くと出世レースから脱落してしまうという恐怖は、行員の脳裏に擦り込まれている。それを拭い去ることが本当にできるのか。

「人事評価制度の項目として、失敗を評価するという項目を明示的に作ります。ここまで努力したけれども成果が出なかった、そういう意味での失敗をした人に対して、それはナイストライだということで、むしろプラスに評価するということを今後の人事評価の中でやっていきます」


「そうなると、減点主義で失敗したらもう上には上がれないという文化と比べたら、トライしてみようという文化になる。これは今年度末の人事評価から反映される予定で、来年度のボーナスを算定するときの評価対象になります」

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