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東南アジアを歴訪している中谷防衛大臣は、日本時間の7日夕方、タイの首都バンコクで、プラウィット国防相と会談しました。
この中で両氏は、南シナ海で海洋進出を強める中国を念頭に、南シナ海での航行や飛行の自由、それに国際法に基づく平和的な紛争の解決が重要だという認識で一致しました。そして、タイの軍隊の能力向上を目的とする支援策として、自衛隊がことし4月に初めて、防空識別圏など航空に関する国際法などについての研修会を実施したのに続き、さらに、国際法への共通理解を構築するための取り組みを進めていくことを確認しました。
会談のあと中谷大臣は記者団に対し、タイとの防衛協力について、「防衛装備品に関する協力についても事務レベルで意見交換を行っており、いずれ、装備品を移転するための協定も結ぶことが必要だと考えている」と述べました。

ベトナムの国営新聞「タインニエン」は8日、ホームページに、南シナ海にある南沙諸島のジョンソン礁で中国が造成している人工島の様子を撮影したとする写真を掲載しました。
掲載された写真はいずれも先月下旬から今月上旬にかけて撮影されたものだということです。
写真には人工島に建設された7階建てとみられる建物が写っていて、この建物の上には高射砲のようなものが確認できるとしています。また、レーダー施設とみられる白い球体の構造物も建設されているということです。さらに、高さ50メートルほどの灯台に並んで、アンテナ施設や風力発電用とみられる風車も確認できるとしています。
人工島の周辺では中国軍の艦船が警戒に当たっているということで、「タインニエン」は、ジョンソン礁は1988年に中国がベトナムから奪い、不当に占拠したものだとしたうえで、「中国が軍事拠点化を進めている」として非難しています。
中国が南シナ海で軍事的な動きを活発化させていることについて、ベトナムの国防次官は先週、NHKのインタビューに対し「軍事衝突といった不測の事態も招きかねず、非常に危険だ」と述べており、ベトナム政府は危機感を強めています。

南シナ海では、ほぼ全域に自国の管轄権が及ぶと中国が主張しているのに対し、フィリピンが「国際法上、認められない」として国際的な仲裁裁判を申し立て、その判断が近く出るとみられています。
これについて中国外務省は8日、声明を発表し、「中国は2国間協議のメカニズムを作ろうと幾度も提案したが、フィリピンは全く応じてこなかった」と非難しました。
また、「領土主権と海洋の境界画定の問題で、第三者に訴えたり無理強いしたりする解決方法は、いかなるものであれ中国は受け入れない」として、裁判を受け入れない立場を改めて強調しました。そして、「中国は2国間交渉の扉を開き続けている」としたうえで、「フィリピンに対し、仲裁手続きという誤った動きを直ちに停止し、2国間交渉で争いを解決するという正しい道に戻るよう促す」と要求しました。
中国は、裁判の受け入れを拒むことによって「国際法を尊重しない国」というイメージが国際社会に広がるのをおそれているとみられ、声明発表には、非はフィリピンのほうにあり、中国は対話に積極的だと印象づけたいねらいがありそうです。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160606#1465209558