トニー賞は、ニューヨークのブロードウェイで上演されたミュージカルや演劇を対象にした賞で、アメリカ演劇界の最高の栄誉とされ、12日、ニューヨークで授賞式が行われました。
式でははじめに、フロリダ州で起きた銃の乱射事件を受けて司会者が「私たちの心は、被害者とともにある」と述べ、哀悼の意を表しました。
続いて各賞の発表が行われ、ミュージカル部門ではアメリカ建国の父の1人、アレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いた「ハミルトン」に出演している3人の黒人の俳優が、それぞれ主演男優賞と助演男優賞、それに助演女優賞の3つの演技の部門賞を受賞しました。
さらに主演女優賞も「カラーパープル」に主演した黒人の女優に贈られ、トニー賞の70年の歴史で初めて、4つの演技部門をすべて黒人の俳優が受賞しました。
また「ハミルトン」は、黒人やヒスパニック系などの俳優を中心とした配役とラップ調の斬新な音楽で注目され、今回、作品賞やオリジナル楽曲賞など最多の11部門を受賞しました。
アメリカでは、映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞でことしの演技部門の候補が全員、白人だったことで「人種差別ではないか」と反発が広がりましたが、今回トニー賞では対照的な結果になり話題となっています。