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女子大生2人のMoMAツアー:ベーグルからもわかるユダヤの思想|日本人が知らない本当の世界経済の授業|ダイヤモンド・オンライン

「だって従業員がヒスパニック系ばっかなんだもん。昔は、ベーグル屋さんと言えばユダヤ人の家族経営で、ユダヤ人のおじいさんが働いていたりしたものだから。ベーグルももうユダヤ人の食べ物っていうわけじゃなくて、ニューヨークで普通に市民権を得たってことなのかなぁ」

「なんで、ベーグルってニューヨークなの?」


「もともとはポーランドで生まれたらしいんだけど、東欧系のユダヤ人がニューヨークに移民してきたかららしいよ」

「でも、ちょっと上品すぎって気がするなぁ。やっぱり。子どものころ食べたベーグルはもっと素朴で、もっとごっつい感じだった気がする。子ども1人で1個はぜんぜん無理なサイズだったし。ユダヤ人のおじいちゃんのベーグルが懐かしいな〜。ヘルシーフードだから、市民権を得て、ベーグルも洗練されて都会的になったってことなのかな」


「これってヘルシーなの?」


「そうだよ。だって普通のパンと違ってバターとかミルクとか卵とか使ってないから、脂肪とかコレステロールが少ないんだよ。それで健康志向のニューヨーカーに受けたんじゃないかな」


「さすが、沙織は詳しいね」


「でも乳製品使ってないのは、ヘルシーさが目的じゃなくて、本当はユダヤ教の戒律が理由なんだよね」


ユダヤ教ってミルクだめなの?」


「ミルクはダメじゃないんだけど、ミルクと肉を一緒に食べたらダメっていうルールがあるらしいんだよね。普段のごはんで肉と一緒にベーグル食べられないと困るから、それ用につくったパンというわけ」

「今日、これからMoMAに行こうと思うんだけど、現代アートってユダヤ系がつくったって知ってた?」

「ところでさぁ、近代アートと現代アートの違いってわかる?」
絵玲奈は、少し教授に教えてもらった知識を披露しようとして沙織に尋ねた。


「わかんない。時代の違いなの?」


「これが現代アートの始まりなんだって」
そう言って、スマホの画像を沙織に見せた。


「何これ?便器?」
そこには男子用小便器に架空のアーティストのサインが施された作品が写っていた。


「えーとね、マルセル・デュシャンって人の作品で『泉』っていうんだよ」
教授のメモを見ながら絵玲奈は言った。


「泉!なめてる(笑)」


「アーティストがアートだって宣言すれば便器だってアートになるっていうわけ」


「すごく挑戦的だね。しかも、タイトルが泉!」


「だよね〜。これって、アートが美しいものっていう概念も変えちゃったんだ」


「そりゃそうだよね。なんたって便器だもんね(笑)」


「“レディメイド”作品っていうんだって。アートってアーティストの手で作ったものじゃなきゃダメなわけじゃない、ということになって、その作品がどういう意味を持つかということも重要だっていうふうに、新しい考え方が生まれてきたらしいよ。一種の革命だよね。ここから、それまでのアートの常識が変わって現代アートになるんだって」

「でもさぁ、こういうのって深い意味があって、本物のアーティストがアートだってやればいいけど、なんでもかんでもアートになっちゃわない?」


「そうなんだよね〜。表現の方法が増えていろいろな可能性が増えたんだけど、う〜ん、みたいなものも出てきちゃったらしいよ。例えば、テントの内側に自分と関係をもった100人以上の名前を書いた布を貼り付けた作品とか」

絵玲奈たちは、MoMAに併設されたMoMAのショップに行って、お土産になりそうなものを探したが、予算に合うような適当なものが見つからず引き上げた。絵玲奈たちは円安の効果で日本人が貧乏になったのを実感した。

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