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平野貞夫 私は見た! 田中角栄の涙|月刊日本|note

 田中角栄の本質とは、戦後の日本にデモクラシーを確立させようとしたことです。日本は明治時代より官僚というエスタブリッシュメントによって支配されてきました。しかし戦後になって、農地解放をはじめ民主主義を定着させようとする動きが出てきました。田中角栄は、いわばその地割れの中から顔を出した政治家なのです。


 もっとも、デモクラシーはヨーロッパ人がヨーロッパ人のために作った制度なので、そのまま日本に適用することはできません。日本向けにアレンジする必要があります。角さんが凄いのは、それを本能的に実践しようとしたことです。

 角さんはこうした試みを通して、デモクラシーを日本人の思考や精神、文化の中に定着させようとしてきました。しかし結局のところ、角さんの試みは失敗に終わりました。彼は人を評価する際に学歴や家柄といったものを一切無視しましたが、日本の支配層はまさに学歴や家柄によって成り立っています。角さんはそうした仕組みを壊そうとして戦い、そして敗れたのです。それが角さんの一生だったと思います。


 支配層と民衆の戦いは、今日も続いています。それ故、我々は今こそ田中角栄という政治家の本質を知らなければなりません。いや、日本人だけでなく、世界の人々が知るべきです。

なお、7月2日に、弊社より、平野貞夫(著)『田中角栄を葬ったのは誰だ』を出版いたします。昨今の「田中角栄本」とは全く違う切り口になっています。Amazonでも予約可能です。ご一読いただければ幸いです。