逮捕されたのは、造幣局東京支局の職員で、さいたま市西区に住む梅野穣容疑者(54)です。
警察の調べによりますと、梅野容疑者は、ことし1月5日、東京・豊島区東池袋にある「造幣東京博物館」で、一般公開用に展示されていた6384万円相当の金塊を盗んだとして、窃盗の疑いが持たれています。
金塊は、縦20センチ、横10センチ、高さ6センチ、重さがおよそ15キロありますが、梅野容疑者は、造幣局の部下に「仕事の一環で金塊を使うので、ケースを外してほしい」と持ちかけ、そのまま金塊を持ち出したということです。
このあとケースの中には、博物館が所有していた金塊のレプリカが置かれていて、造幣局では6月に入って金塊が無くなっていることに気づいたということです。
連絡を受けた警察では、最後に金塊を持ち出した梅野容疑者に事情を聞いたところ、容疑を認めたため逮捕したということです。
梅野容疑者は、さいたま市の質店で金塊を現金に換えていて、警察の調べに対し「外貨を売買するFX取引の損失を補填するため盗んだ」と供述しているということで、警察がいきさつを調べています。
職員が逮捕されたことを受けて、造幣局東京支局は20日午後会見し山本三夫東京支局長が「職員による不祥事が発生したことは痛恨の極みであり、心から深くおわびします」と謝罪しました。
梅野容疑者が金塊を持ち出した際、現場では上司の許可を得ているか確認していなかったということで、造幣局東京支局では管理体制が不十分だったとして、チェック体制を強化するとしています。
造幣局東京支局は、博物館での金塊と銀塊の展示を当面取りやめるほか、ほかの展示品が盗まれていないかも調査することにしています。