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商品の値引きはいくらまで許されるのか?|ビジネスにいちばん使える会計の話|ダイヤモンド・オンライン

 売上を増やすためには、適正な原価をかけてお客様が喜ぶ商品を作り、販管費をかけてうまく売る必要があります。売上高から売上原価と販管費を差し引いて営業利益が出ればよいのですが、そうでなければ赤字となり、お金が回らなくなります。どんな商品にも鮮度があるので、売り切るためには値引きが必要なこともあります。


 では、商品の値引きはいくらまで許されるのでしょうか?


 商品の売値が、売上原価と販管費を引いてある程度の営業利益が出るような金額、つまり、この連載の第7回で述べたマークアップされた金額に設定されていれば、営業利益がゼロになるような金額までの値引きは許されるでしょう。しかし、それを超えて値引くと赤字になります。値引きを検討するときは、図表1のような表を作るとわかりやすいと思います。

 表からもおわかりのように、この例では営業利益がゼロになるのは25%の値引きで、限界利益がゼロになるのは50%の値引きです。

 以前、こんなことがありました。


 ぼくの事務所の近くにおいしいイタリアンの店があります。シェフがイタリアの料理店で修行してきたそうで、料理はどれもおいしいのですが、値段が高い。それに、わりと不便な場所にあります。ということで、いつ行っても2〜3割の席が空いていました。


 ところが、半年ほど前から様子が一変しました。メニューの値段が1〜2割下がってからというもの、なかなか予約が取れません。ほぼ毎日満席で、夜は2回転しているようです。


 この例で見るように、売値を1〜2割下げても客数が3割くらい増えていれば、アルバイトを増やした費用と原材料費アップを勘定に入れても、利益は十分増えているはずです。値下げが売上アップにつながった好例です。

 値引きがいくらまで許されるかを判断するモノサシとしては、変動費の計算が役に立ちます。たとえば売値1000円、変動費400円、限界利益600円の商品が、ふだんは毎日50個売れているとしましょう。この売値を半額の500円にすると、2倍の100個売れると仮定します。このときの損益はどうなりますか?

 なお、不当な値引き(不当廉売)は独占禁止法で禁じられていますので注意してください。採算を度外視した安売りでお客様を獲得しようとするのは、適正な競争を乱すということなのです。

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