人生のカギを握る「オプション取引」とは?|あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門|ダイヤモンド・オンライン
オプション取引とはデリバティブ(金融派生取引)の一種であり、あらかじめ決められた期間または期限に、ある資産を一定の価格で取引する権利の取引を指す。
これだけだとややわかりづらいと思うので、まずはオプション取引を成立させている4つの要素を押さえておこう。
まず、(1)原資産だ。さまざまな株式、FX、債券、オイルなど、相場のある資産は何でも対象になる。次に、(2)スポット価格と(3)行使価格である。スポット価格とは、原資産の現時点での価格であり、行使価格とは権利を行使するときに払うべき価格だ。最後に、(4)オプションの期間も必ず定められる。つまり、権利行使が可能な期間だ。
ストック・オプションに基づいた説明だけだと誤解されかねないが、オプションで取引されるのは、一定の期間内に一定の価格で買う権利だけではない。決まった価格で売る権利も取引される。
将来に原資産を買う権利のことをコール・オプション、売る権利のことをプット・オプションという。
【問題】次のうち、オプション取引でないものはいくつあるか?
(1)超人気のレストランのフルコースを1年後の記念日に予約した
(2)1等3億円の当たる年末ジャンボ宝くじを購入した
(3)家族の将来に備え、生命保険に加入した
(4)1ヵ月後に仕立て上がるスーツを代金後払いで注文した
唯一、オプションでない取引は(4)のスーツの注文だけである。これは将来に取引が発生する点でオプションに似てはいるが、決して権利の売買をしているわけではない。現時点であなたはすでにスーツを注文し、完成時に代金を支払うことを約束してしまっている。
これは先物取引と呼ばれる取引形態であり、オプション取引とは似て非なるものだ。途中で心変わりしてもあとの祭り。完成時には決められた代金を必ず支払わなければならないのである。