アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会は、先月の金融政策を決める会合の議事録を公表し、雇用の動向に不透明感が強まったなどとして、利上げを見送っていたことが分かりました。市場では、FRBはイギリスがEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたことを受けて、当面、利上げには慎重だという見方が支配的になっています。
FRBは、追加の利上げを見送った先月中旬の金融政策を決める会合の議事録を6日、公表しました。この中で、大半の参加者が、5月の雇用統計で就業者の数が極めて低い伸びにとどまったことを踏まえ、一時的な減速とはしながらも、「今後の雇用の動向に不透明感が強まった」と指摘していたことが分かりました。
さらに、この会合のあとに行われたイギリスの国民投票でEUからの離脱を選択した場合の金融市場やアメリカ経済への影響を注視すべきだという意見が出されました。この結果、大半の参加者は、利上げをするかどうか検討する前に、雇用情勢やイギリスのEU離脱の動向を見極めることが賢明だと判断していました。
市場では、イギリスのEU離脱を受けて金融市場が不安定になっていることなどから、FRBは当面、利上げには慎重だという見方が支配的になっています。
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