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日本会議会長が言う「普通の国」の欺瞞―結局、米国には逆らえない?(志葉玲) - 個人 - Yahoo!ニュース

会見で、田久保会長は「日本が危険な、極めて好戦的な状態にあって、そこでナショナリストである安倍さんが登場したという報道があるが、私はそうは思わない」と、安倍政権を擁護。「国家が政治と経済と軍事の三本足で立っていると仮定して、日本では、その一本の軍事は、全く『普通の国』のそれではない」「『普通の国』の実現に着手し、次々に手を打ってきたのが、たった一人、安倍晋三」と称賛した。だが、参加した海外メディアの記者から「日本を『普通の国』にとのことだが、自民党改憲案では『個人の権利」についても制限される。このようなことは『普通の国』とは言えないのでは?」と追及され、「日本で個人の権利、基本的人権を尊重しないという人はいない。他の国とどこが違うのか?」(田久保会長)と、色をなす場面もあった。

普通の国」にこだわる田久保会長。ならば、田久保会長に聞いてみたいのは、日米地位協定についてだ。今年5月に発覚した沖縄県うるま市での米軍属による女性暴行・殺害事件でも改めてその見直しが叫ばれた、日米地位協定。端的にその問題点を言えば、在日米軍に対しては、日本の主権がないということだろう。例えば、日米地位協定において、「駐留外国軍隊である米軍には、日本の法令は適用しない」というのが、日本政府の基本的スタンスだ。だから、米軍基地周辺の航空機騒音被害や、有害な物質による水質、土壌汚染を規制したり是正させたりできない。こうした日本の状況は国際的にみて「普通の国」ではない。日本と同じ第二次世界大戦の敗戦国のドイツやイタリアでは、それぞれの国の国内法が適用され、米軍はその活動が制限される。対テロ戦争で米軍の占領下にあったイラクアフガニスタンでも、公務中に罪を犯した米軍兵士を裁く軍法会議に、被害者や政府関係者が立ち会えるという取り決められた。つまり、米軍がどこまでもやりたい放題なのは、日本だけだ。

この、とても「普通の国」とは言えない日米地位協定について、田久保会長はどう考えているのか。残念ながら、筆者は質疑応答で挙手したものの、あてられなかったので、会見後、ぶらさがり状態で「普通の国ということならば、日米地位協定を見直すことについてはいかがでしょうか?」と質問してみたが、田久保会長の返答はない。田久保会長は個別のインタビュー予定があると別室に移動したので、それが終わって出てきたところに、あらためて同じ質問をぶつけたが、やはり返答はなく、護衛らしき男性らにかばわれるように、田久保会長は無言のまま、タクシーへ乗り込みドアを閉ざしたのだった。

日本会議はその公式ウェブサイトで「今こそわが国は、独立国としての名誉と国益を重んじ、国民の生命と財産を守る確固とした政治の再生が求められています」と謳っている。ならば、同団体と関係の深いの安倍政権の面々に、日本の人々の尊厳や命を在日米軍からも守るよう、求めてはどうだろうか。