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16日に終了したASEM首脳会議は、国際的な仲裁裁判で、中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張することは法的根拠がなく、国際法に違反するという判断が示されてから、首脳級が出席する初めての国際会議となりました。
中国国営の新華社通信によりますと、今回の首脳会議で、李克強首相が、仲裁裁判の判断について、「中国の主権と海洋権益にいかなる影響も及ぼさない。当事国との対話を通じて問題解決を目指す」と主張し、今後も判断を受け入れない姿勢を改めて強調したということです。
今回の会議では、安倍総理大臣や中国と南シナ海の島々の領有権を争うフィリピンのヤサイ外相などが中国に仲裁裁判の判断の受け入れを求めたほか、議長声明も、「国際法に従って争いを解決するのが重要だ」などと、中国に判断の受け入れを促す形になっていました。
これに対して、李首相の発言は、中国が南シナ海で活発化させている海洋進出の動きを変えないという、かたくなな姿勢を国内外に示したものだと受け止められています。

中国軍統合参謀部の孫建国副参謀長は16日夜、北京で講演し、先にフィリピンの申し立てで開かれ、中国が南シナ海で主張する管轄権を否定した仲裁裁判について、「高額の訴訟費用は背後で裁判を操る者が出している。これが茶番でないと言うなら一体何なのか」と非難しました。そのうえで、「軍は能力を高め、やむをえない状況になれば、国の主権と権益を守るために最後の決定的な働きを果たす」と述べ、今後の状況次第では南シナ海の権益を守るために軍が重要な役割を果たす可能性に言及することで、フィリピンやアメリカを強くけん制しました。
また、アメリカが、中国が実効支配を強める海域の周辺で艦艇を航行させる「航行の自由」作戦を継続する姿勢を示していることについて、孫副参謀長は「軍事的な航行の自由は南シナ海の航行の自由を損なう行為であり、災難につながる可能性さえある」と述べて、軍事的な衝突を引き起こすおそれがあると警告しました。
中国軍幹部による今回の発言の背景には、仲裁裁判の結果を受けて、フィリピンが今後、同盟国アメリカと連携して、中国に対し強い態度で臨んでくることへの警戒感があるとみられます。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160715#1468579418