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交通渋滞を「新しい道路を作らずに」解決する方法って?IBMに学ぶ最高の「考える技術」|「考える」は技術|ダイヤモンド・オンライン

IBMのチームは手始めに市内各地に交通状況を観測するセンサーを設置した。43万台の通信中継器を配置してデータを集め、85万枚の画像を入手した。IBMは道路システム上の主要な接続点はもちろん、それとは関係なさそうに見える渋滞地域のすべてについて定量的な分析を行い、システム全体をモデル化した。この分析結果を受けて、ストックホルムの担当者たちは新しい橋や道をつくるのは得策ではないという結論に達した。そのかわり取るべき対策は、混雑する時間帯に橋や幹線道路を利用する市民に課金することだった。

ストックホルムを救ったエンジニアたちが使ったのは、「モデル化」という思考の技術だという。

 モデル化の利点は、「トレードオフを可視化し」、エプスタインがもっとも重視する「効率性に焦点を当て」、さらに「一見単純なことが複雑であり、複雑なことが単純である」と気づかせてくれることだ。モデル化によって、より多くのデータが必要な領域と、さらに検証しなければならない点があぶりだされる。

 一見、解けない問題も、システムレベルで最適化することで解決していく。それを可能にする「思考力」は、大量の仕事の片づけ方から効率的な資源配分の方法まで、あらゆるレベルの、しかも複雑な問題に応用できる。もし今解決の糸口の見えない課題があるなら、IBMのエンジニアたちのように、大きな視点で見なおしてみてはいかがだろう。