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トルコ ギュレン師の身柄引き渡しを米に正式に要求 | NHKニュース

トルコ政府は、クーデター未遂が起きた直後からエルドアン政権と対立してきたイスラム組織「ギュレン教団」が関与したとして、指導者のギュレン師を厳しく非難してきました。
トルコのユルドゥルム首相は19日に首都アンカラの議会で開かれた与党の会議で、アメリカ政府に文書を送り、ペンシルベニア州に滞在しているギュレン師の身柄の引き渡しを正式に求めたことを明らかにしました。
そして「アメリカがもう不要だというほど証拠を示す」と述べ、ギュレン師が関与した証拠は十分にあると強調しました。
ギュレン師はクーデター未遂への関与を強く否定しており、アメリカ政府はこれまで、「要請があれば、両国の間の条約に基づき、犯罪に関わったかどうかや証拠が十分かどうか見極めて判断する」としてきました。
トルコはアメリカにとって、NATO北大西洋条約機構に共に加盟する重要な同盟国で、アメリカは、トルコとの関係やトルコ側が示す証拠が十分かを考慮したうえで、要請に応じるかどうか慎重に判断するとみられます。

トルコ外交に詳しい国立イスタンブール大学のベキル・ギュナイ准教授は、トルコ政府がアメリカ側にイスラム組織「ギュレン教団」の指導者ギュレン師の引き渡しを求めていることについて、「アメリカにとってこれは議論の余地がある問題で、ギュレン師の引き渡しを避けようと、証拠の提出を求め続けるだろう」と述べて、簡単には引き渡しに応じないという見方を示しました。
また、トルコ政府が強権的な姿勢を強めていると主に欧米各国が懸念を示していることについては、「欧米はみずからの利権にしか興味がなく、サウジアラビアのような民主主義ではない国や、クーデターが起きたエジプトを支持している。民主主義の立場を重視するトルコを支持するべきで、矛盾した主張だ」と批判しました。
そのうえで、クーデター未遂を受けてトルコ軍などの上層部が入れ代わるなか、「欧米と距離を置くグループが、クーデター未遂に関わったグループにとって代わることが予想される」として、ロシアやイランなどの国々との関係改善を進めようというトルコ内部の流れがさらに強まるのではないかと指摘しました。

トルコで起きたクーデター未遂について、トルコ政府は19日、犠牲者は市民173人を含む240人に上ったと発表しました。
捜査当局は、クーデターを企てたのは政権と対立するイスラム組織「ギュレン教団」だとして、軍の幹部などを8600人以上を拘束して調べています。
一方、トルコ政府は、警察官を中心に公務員の解任などを行っていますが、国民教育省は19日、ギュレン教団との関わりを調べるため新たに1万5200人の職務を停止するなどと発表し、処分の対象となった公務員はこれまでに2万5000人以上にまで拡大しています。
さらに放送機関を所管する高等委員会も19日、「ギュレン教団」と関係があるとして24のテレビ局やラジオ局の免許を取り消しました。
エルドアン政権はクーデター未遂後、批判勢力を一掃する動きを一段と強めており、国の内外から懸念や批判が高まりそうです。

アメリカのオバマ大統領は19日、トルコのエルドアン大統領と電話で会談しました。
ホワイトハウスによりますと、この中でオバマ大統領は、クーデター未遂を強く非難したうえで、民主的に選ばれた現在のトルコ政府を支持し、捜査を支援する考えを伝えました。
一方で、エルドアン政権が軍の幹部など多数を拘束して調べるとともに、公務員の処分を拡大しテレビ局の免許を取り消すなどしていることについて、オバマ大統領は「法的な手続きや民主主義の原則にのっとって行われるべきだ」として強権的な手法は自制するよう求めました。
また電話会談で両首脳は、トルコ側がクーデター未遂に関与したとしてアメリカ側に引き渡しを求めているイスラム組織の指導者ギュレン師の扱いを巡っても協議したということです。
これについてホワイトハウスのアーネスト報道官は、記者会見でトルコ政府から文書を受け取ったことを明らかにしましたが、「正式な引き渡し要求かどうか精査しているところだ」と述べ、両国間の条約に基づき慎重に対応を検討していく考えを強調しました。