https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

中国の王毅外相は、南シナ海問題でフィリピンとの協議再開に向け、米国のケリー国務長官に支援を要請した。中国外務省が26日、声明で明らかにした。


王毅外相は25日、東南アジア諸国連合ASEAN)の会合が開かれているラオスの首都ビエンチャンでケリー長官と会談。その際、王外相はケリー長官に、中国とASEANは、関係国が直接話し合うことによって問題を解決するという「正しい」軌道に戻るべきだという考えで一致したと説明した。


また王外相は「米国が中国とフィリピンの協議再開を支援する措置を実行し、さらに地域の平和と安定を維持するための中国とASEANの努力を支援することを期待する」と述べたという。


中国が南シナ海のほぼ全域で中国が主張する主権や権益は国際法に反するとしてフィリピンが求めた仲裁手続きで、仲裁裁判所は12日、中国側の主張には法的に根拠がないとする判断を下した。中国側は反発し、判決の受け入れを拒否する姿勢を崩していない。


中国はこれまで、米国が南シナ海問題で中国と対立する国々に肩入れし同地域での緊張をあおっているなどと、繰り返し批判している。

岸田外務大臣ラオスで25日にアメリカとオーストラリアとの3か国の戦略対話を行い、南シナ海を巡る国際的な仲裁裁判の判断で中国の主張が否定されたことを踏まえ、法の支配に基づいて問題を平和的に解決すべきだという認識で一致しました。
これに対して、中国外務省は26日夜、王毅外相の反論を発表しました。
この中で、王外相は「地域の国々が協力を深め南シナ海の情勢を落ち着かせようとしている一方で、3か国が問題をあおっている。あなたたちが平和を守る国か、それとも情勢を乱す国か、試されるときが来た」として強く非難しました。
このほか、中国外務省によりますと、王外相は26日、EAS=東アジア・サミット外相会議で、仲裁裁判を受け入れない立場を改めて強調したうえで、「仲裁裁判の背後に隠された政治的操作は必ず白日のもとにさらされるだろう」と述べたということです。そして、「多くの国が次第に仲裁裁判の本質や危害を認識し、直接、当事国どうしの話し合いで解決するという中国の立場を認め始めている」と主張し、みずからの立場への支持が広がっていると強調しました。

フィリピンを訪れたアメリカのケリー国務長官は27日、首都マニラでヤサイ外相と会談し、南シナ海を巡って中国の主張を否定した国際的な仲裁裁判の判断を踏まえ、今後の対応などについて意見を交わしました。
両者は、この問題は法の支配に基づいて平和的に解決するべきだという認識で一致し、会談のあとの記者会見でケリー長官は「仲裁裁判の判断は法的な拘束力があり、順守する義務がある」と述べ、中国に対して引き続き判断の受け入れを促していく立場を強調しました。
またヤサイ外相も「仲裁裁判の判断を十分に踏まえ、われわれは連携しながらそれぞれの国益を追求していく」と述べ、この問題でアメリカと緊密に連携していく考えを示しました。
南シナ海の問題を巡って中国は、フィリピンとの2国間での話し合いを呼びかけていますが、仲裁裁判の判断を踏まえた協議には応じない立場を強く主張しています。
このためアメリカとしては、先月発足したフィリピンのドゥテルテ政権との関係強化を図りながら、中国に対して判断の受け入れを働きかけていくことにしています。

フィリピンのドゥテルテ大統領は27日、首都マニラにある大統領府でアメリカのケリー国務長官と会談し、南シナ海の問題について意見を交わしました。
フィリピン大統領府によりますと、この中でドゥテルテ大統領は問題の解決に向けて、フィリピンと中国が2国間の協議を行う場合は、南シナ海を巡る中国の主張を否定した国際的な仲裁裁判の判断を踏まえることが前提になるという考えを示し、ケリー長官と認識が一致したということです。
南シナ海の問題を巡って、ドゥテルテ大統領は特使を派遣して、中国と2国間の協議を始めたい考えです。
中国もフィリピンとの2国間協議を望んでいますが、判断を踏まえた話し合いには応じない立場を強調していて、フィリピンがアメリカと一致して、判断の受け入れを求める姿勢を見せたことに、中国はさらに反発を強めそうです。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160726#1469529536