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イギリスに日本酒醸造所 欧州初の現地生産へ | NHKニュース

大阪市にある「堂島麦酒醸造所」のイギリス法人は今月、イギリス中部のケンブリッジシャー州で日本酒の醸造所の建設許可を取得しました。30ヘクタールの敷地に醸造所を設けるほか、日本酒の専門家などを育てる教育施設や、和食を提供する飲食店なども開設する方針です。費用は総額で1500万ポンド(およそ20億円)になる見通しです。
日本の酒造会社がヨーロッパに醸造所を建設し日本酒を生産するのは初めてだということで、順調に進めば来年春ごろに生産を始める計画です。堂島麦酒醸造所のイギリス法人のマーケティング責任者、橋本久美子さんは「イギリスやヨーロッパはまだ新しい市場なのでチャンスがある。ここで造った日本酒を皆さんに楽しんでもらいたい」と話しています。
フランスやイタリアといったワインの一大産地を抱えるヨーロッパでは、日本酒はアメリカやアジアほど浸透していませんが、このところの和食ブームで人気が高まっていて、日本の酒造会社が現地生産に乗り出すことで、現地での普及拡大につながるか注目されます。

日本の酒造会社が日本酒の醸造所を建設し生産を始めることについて、地元の自治体や住民からは歓迎の声が上がっています。
建設予定地の地元の役場は今月3日、地域の開発について許認可を行う委員会を開き、堂島麦酒醸造所のイギリス法人の醸造所の建設について協議しました。この中で、委員からは今回の醸造所の建設に対し、「EU=ヨーロッパ連合からの離脱という状況の中で、大規模な投資を行い、雇用も創出する、すばらしい事業だ」などと歓迎する声が相次ぎ、委員会は全会一致で醸造所の建設を許可しました。
また、地元の住民からは「長い間使用されていなかった場所を新たに開発してもらうことは、この地域にとってとても重要だ」とか「多くの人が、併設されるレストランを訪れたり、醸造所を見学したりしてほしい」などと、醸造所の建設による経済効果や地域の活性化を期待する声が聞かれました。

日本酒の輸出は、海外での和食ブームの影響もあって、拡大を続けています。
財務省の貿易統計によりますと、日本酒の去年の輸出額は140億円と、10年前の2005年に比べておよそ2.6倍に拡大していて、6年連続で過去最高を更新しました。
輸出先のトップはアメリカで、およそ50億円と全体の35%余りを占めているほか、次いで香港、韓国などアジアが輸出先の上位となっています。
一方、ヨーロッパでは、最も多いイギリスでも2億6000万円にとどまっているほか、フランスも1億4000万円で、アメリカやアジアに比べると浸透していません。ヨーロッパはフランスやイタリアなどワインの一大産地を抱えていることから、食事に合わせるのはワインが主流で、日本酒はアルコール度の強い蒸留酒と誤解され、食事に合わないとして、食卓やレストランから敬遠されてきました。
ただ、ロンドンで開かれる世界的に権威のあるワインの品評会に9年前、日本酒部門が設けられたほか、ロンドンにあるワインの教育組織で、おととしから日本酒講座がスタートするなど、認知度は徐々に高まり始めています。また、和食ブームで、ヨーロッパでも日本酒を提供する飲食店が増えていて、今後、新たな市場として拡大が期待されています。