英国のキャメロン前首相は12日、議員を辞職することを明らかにした。キャメロン氏は6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定された後に首相を辞任。後任のメイ首相の政策運営の障害にならないよう議員を辞職し、政界からも引退すると見られる。
2010年に首相に就任したキャメロン氏は現在49歳。BBCテレビに対し、メイ首相にすでに議員辞職の意図を伝えたとし、「夏の間に真剣に考えてきたことで、議員を辞職することが自分がとるべき道との結論に至った」と述べた。
イギリスのキャメロン前首相は12日、民間放送局、ITVとのインタビューの中で、「夏の間、熟慮した結果、下院議員を辞職することを決めた」と述べました。その理由についてキャメロン氏は「首相を辞任したいきさつを踏まえると、私が議員で居続けることは政府の邪魔になる」と述べ、EUからの離脱交渉を担うメイ政権への配慮からだと説明しました。
2010年から6年間にわたり首相を務めたキャメロン氏は、ことし6月行われたEUからの離脱を問う国民投票で残留を呼びかけましたが、離脱という結果を受け、7月に首相を辞任しています。
キャメロン氏は、イギリスをEUから離脱させた首相として記憶されるのではないかと問われると、「国民投票の実施という公約を守り抜いた首相として記憶されるだろう」と反論し、そのうえで、「社会保障などで重要な改革を果たしたし、低迷していた保守党を政権を担う政党に変えることができた。あとは歴史家の評価にゆだねたい」と述べました。
また、今後については、「まだ49歳だ。中央政界の外で新しい暮らしを築きたい」と述べて、政界を引退する意向を示唆しました。