ソロス氏がヘッジファンド支援、欧州で資金流出食い止めの一助 - Bloomberg
ヘッジファンドが金融危機以降で最悪ペースの資金流出に見舞われる中で、欧州ではジョージ・ソロス氏やドナルド・サスマン氏ら業界著名人の支援を得た新手の運用者が登場し、流れを反転させようとしている。
ブルーベイ・アセット・マネジメントの運用者だったニール・フィリップス氏とジョナサン・フェイマン氏は、ソロス氏からの資金を含め約20億ドル(約2020億円)を集めたと、事情に詳しい関係者が述べた。ハイブリッジ・キャピタル・マネジメント出身のジョン・エイルウォード氏はサスマン氏のパロマ・パートナーズから約3億ドルの出資を受けた。
新興ヘッジファンドに投資するステーブル・アセット・マネジメントのエリック・セラノ・バーントセン最高経営責任者(CEO)は、「今年の新ファンドは恐らく、2009年以来で最良の一群となるだろう。質の高い運用者が実力を示そうとしている」と語った。
運用成績低迷や規制コスト増、資金集めの困難さで欧州では2015年以降、ヘッジファンドの新規開設より閉鎖が多くなっている。運用資産1億ドル未満のファンドが大半だが、これらのファンドは生き残りに苦戦している。自身のファンドを立ち上げるため2月にエガートン・キャピタルを退社したマルチェロ・サルスティ氏は、「大手ファンドはスーパービッグになり、小規模ファンドは苦戦しており、その中間地帯は空白のため、今は好機だ」と話す。「新規ファンドは数十億ドルの資産がなくても運営コストを賄える」とも述べた。同氏は年内に2億ドル余りで運用を開始する計画。
ブルークレス・キャピタル・マネジメント出身のテジ・ジョハー氏もブロード・ブリッジ・キャピタルを設立するため米国の金融機関から出資を受けたと事情に詳しい関係者が述べた。
ソロス氏が出資するグレン・ポイント・キャピタルは既に運用を開始している。今年欧州で誕生したヘッジファンドとして最大規模の一つだと関係者が述べた。グレン・ポイントとソロス氏のスポークスマンはコメントを控えた。
原題:Soros Helps Turn Back Tide of Hedge-Fund Outflows in Europe (1)(抜粋)