ロシアの治安機関、連邦保安庁は、ウクライナ国防省の情報機関に所属するスシェンコ大佐がロシア軍などの機密情報を集め、スパイ活動を行っていた疑いで拘束したと３日、発表しました。
これに対してウクライナの国営通信は、拘束されたのはこの国営通信に勤務するスシェンコ記者で、先月３０日、休暇でモスクワを訪れたところ、突然拘束されたと伝えました。
また、ウクライナの国防省も声明を出し、「スシェンコ氏は国防省とは何の関係もない」と強調したうえで、「ロシアの特務機関がウクライナ国民を拘束する際、存在しないスパイ容疑をでっち上げ、みずからの犯罪を正当化するのは常とう手段だ」として強く非難しました。
さらに、ウクライナのグロイスマン首相もみずからのフェイスブックに「国際社会にウクライナ人記者の保護を呼びかける」と投稿したうえで、即時解放を求めました。
ロシアとウクライナは、去年２月に結ばれたウクライナ東部におけるウクライナ軍と親ロシア派の停戦合意が守られていないのは、相手側の責任だとして互いに非難を続けており、今回の拘束事件は対立が続く両国の間で外交問題に発展しています。