日米の学生の就職希望先から見える「未来を創る企業」|野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る|ダイヤモンド・オンライン
新しい技術は、どのような方向に進み、どのような主体が開発をリードするのだろうか?企業動向の観点から見ると、ユニコーン企業が情報分野で技術開発を進めるだろう。アメリカの学生の就職希望先も、ここだ。なお、DAOという新しい企業群が地平線上に姿を現している。
(第1グループ)巨大成熟企業
「フォーチュン500」の上位10社を図表1に示す。この上位にいる巨大企業が第1グループだ。
売上高は大きいが、成熟企業であるため、成長率は低い。
中国の国有企業もこの中に入る(State Grid、China National Petroleum、Sinopec Group)。
日本の大企業もそうだ。日本の場合、経済全体の成長率は、こうした企業の売上高成長率に規定されている。
(第2グループ)GAFA
このグループに入るのは、時価総額が大きい企業である。アメリカの場合は、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)である。
(第3グループ)ユニコーン
「ユニコーン企業」とは、未公開で時価総額が10億ドルを超える企業である。このリストは、本連載の第2回で図表2として示した。
時価総額は巨大だ。日本企業で時価総額がUberを超えるものは、十数社しかない。
起業してからわずか数年の間に、これだけの成長をしたのは脅威だ。スマートフォンの登場によって引き起こされた変化である場合が多い。これらの企業がこれからの社会を変えていくだろう。
この他に、第4グループが地平線上に姿を現しつつある。それは、ブロックチェーン技術をベースに置く自律的企業(DAO)だ。