大川小津波訴訟 石巻市議会が控訴承認の議案を可決 | NHKニュース
震災の津波で犠牲になった石巻市の大川小学校の74人の児童のうち23人の児童の遺族が訴えた裁判で、仙台地方裁判所は今月26日、「津波が襲って来るおよそ7分前までには、市の広報車が避難を呼びかけたのを教員らが聞いていたと認められ、津波が到達する危険を予測できた」と指摘し、石巻市と宮城県に対し、原告全員に合わせて14億2600万円余りの賠償を支払うよう命じました。
これを受けて、石巻市の亀山市長は28日、控訴する方針を示し、市は30日、臨時議会を招集して控訴の承認を求める議案を提出しました。
本会議は、原告の遺族が見守るなか午後から開かれ、亀山市長は、議員から控訴の理由を問われると、「教員が小学校に大規模な津波が来ることを予見することは不可能であったと認識している。また、およそ7分間で崩壊の危険がある裏山に全員が無事避難できたとは考えられない」と述べました。
一方、控訴に反対する議員からは、「遺族をこれ以上苦しめることなく控訴を取り下げるべきだ」とか、「子どもたちは、市長の控訴の判断に悲しんでいる。判決を真摯(しんし)に受け入れるべきだ」といった意見が出されました。
このあと採決が行われ、議案は賛成多数で可決されました。宮城県も同調すると見られ、石巻市と宮城県は控訴期限の来月9日までに控訴すると見られます。