https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


ニューヨーク在住の日系3世弁護士、村瀬悟氏の名前を知る人はそれほど多くない。全世界に2000名近くの弁護士を擁する米国有数のモルガン・ルイス&バッキアス国際法律事務所に所属、現在はパートナーの地位にいる。

では、村瀬悟氏(1955年生まれ)とはいかなる人物なのか。


2014年8月、86歳で亡くなった父・村瀬二郎氏が超大物日系2世の弁護士であった。カーター民主党政権下で大統領通商諮問委員に就任、その後も国務省多国籍企業諮問委員に就くなど政府の各諮問委員会メンバーを歴任した。


間組織では、デイビッド・ロックフェラーが創設したトライラテラル・コミッション(日米欧委員会。現三極委員会)委員を務めた。


日本との関わりで言えば、ソニー創業者の盛田昭夫元会長との長い交誼は有名であり、1980年代になって同氏の政財界人脈を頼って米国進出の商社、自動車、電機など大手企業が村瀬事務所に日参したほどだ。

村瀬悟氏は、父・二郎氏の命によって青春期は日本で教育を受けるべしということから、中学1年から高校3年まで東京の成蹊学園で学んだ。そして安倍首相が1学年上に在籍していたのだ。


外見的には全くの日本人であるが、発想からライフスタイルは典型的な米国人である。成蹊高校卒業後、ボストンのハーバード大学に進み、1979年に卒業。その後はワシントンのジョージタウン大学ロースクールに入学、1983年終了の法学博士号取得者だ。


日本で同氏の名前が取り沙汰されたのは、皮肉にも経営危機に陥ったソニーが、ダニエル・ローブ氏率いる投資ファンド「サード・ポイント」の株主提案に翻弄された時のことである。村瀬氏が同ファンドの顧問弁護士として登場したからだ。


「ハゲタカ・ファンド」と同一視されるのを嫌った同氏は旧知の政府系金融機関トップの紹介を得て首相官邸を始め、経済官庁のトップ、大手銀行経営者を回って「物言う株主」の重要性を説いて回った。