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国連安全保障理事会では22日、イスラエルが占領地で行っている入植活動を即時停止すべきだとする決議案をエジプトが提案する予定でしたが、直前に延期されました。


イスラエルのメディアは政府高官の話として、イスラエル政府が外交ルートを通じてエジプト政府に提案を見送るよう圧力をかけたほか、オバマ政権よりもイスラエル寄りの立場を取るとみられているトランプ次期大統領にもアメリカに駐在する大使を通じて決議案への反対を表明するよう働きかけたと伝えています。


トランプ氏は22日、フェイスブックなどに「決議案に拒否権を行使すべきだ。イスラエルにとって極めて不公正なものだ」と批判する投稿を行なったほか、エジプトのシシ大統領と電話会談を行っていて、提案を見送るよう促したものと見られます。


アメリカ政府はイスラエルを擁護する立場から、これまで、この問題では繰り返し拒否権を行使してきましたが、オバマ大統領が来月、任期を終えることから、今回は拒否権を使わないのではないかとも報じられ、イスラエルが強い懸念を示していました。


国連安保理では23日、イスラエルが占領したパレスチナヨルダン川西岸などで行っているユダヤ人の入植活動について、国際法に違反しているとして即時停止するよう求める決議案が採決にかけられました。その結果、安保理メンバー15か国のうち14か国が賛成し、アメリカが棄権したため、賛成多数で採択されました。


イスラエルを擁護する立場のアメリカは5年前、同じような内容の決議案に拒否権を行使しましたが、今回は行使せず、議場がどよめきました。アメリカのパワー国連大使は、「入植問題は深刻化していて、イスラエルパレスチナの共存という目標にとって大きなリスクになっている」と説明しましたが、イスラエルの代表は、「テロリズムと憎悪と暴力の勝利を意味する」などと強く反発しました。


今回の決議案をめぐっては、イスラエル寄りの姿勢を見せるトランプ次期大統領がエジプトに提案を見送るよう圧力をかけたと伝えられていて、そうした中、オバマ大統領が任期を終えるのを前にイスラエルに入植活動の見直しを促した形です。

イスラエル政府は、国連安保理で入植活動の即時停止などを求める決議が採択されたことを受けて声明を発表し、「イスラエルは国連での恥ずべき反イスラエル決議を拒絶し、その内容に従うことはない」と強く反発しています。


そのうえで、アメリカが拒否権を行使しなかったことについて、「オバマ政権は国連での集団攻撃からイスラエルを守れなかったどころか裏で結託していた。イスラエルはトランプ次期大統領やアメリカ議会の友人たちと協力し、このばかげた決議による悪影響を無効にするため取り組んでいくつもりだ」と、オバマ大統領を批判すると同時にトランプ氏への期待を示しました。

パレスチナ暫定自治政府アッバス議長の報道官は、「決議の採択によってイスラエルの政策は顔面に平手打ちを受けたようなものだ。ユダヤ人入植地について国際社会が一致して批判したことになり、イスラエルパレスチナ国家の平和的共存による解決を支持する強い姿勢を示した」と評価しました。

アメリカが拒否権を行使せず、棄権したことについてアメリカのケリー国務長官は23日、声明を発表し、「イスラエルパレスチナの2国共存こそが唯一の解決策というのがアメリカの長年の立場だ。しかし、テロや暴力活動、そして2国共存への反対を明言した入植の拡大によって、危機にさらされている」として、入植活動がこれ以上拡大すれば、中東和平交渉に深刻な影響を与えると訴えています。


しかし、アメリカのトランプ次期大統領は23日、みずからのツイッターで、「国連に関しては、1月20日の後、事態は変わることになるだろう」と投稿し、トランプ氏が大統領に就任する来月20日以降は、アメリカは拒否権を行使するという考えを示唆しました。トランプ氏は前日の22日にも声明を発表し、「決議案には拒否権を行使すべきだ」と主張しており、オバマ政権より一層イスラエル寄りの立場を示すものと見られています。


アメリカのトランプ次期大統領は23日、ロシアのプーチン大統領から受け取ったとするクリスマスと新年を祝福する手紙を公開しました。
手紙は「ロシアとアメリカは世界の安定と安全保障を維持するため重要な要因となっている」としたうえで、「あなたが大統領に就任後、建設的で実利的なやり方で2国間の協力関係を修復し、国際舞台でもわれわれの協力関係を新しいレベルに引き上げることを望んでいる」としています。


これに対し、トランプ氏も声明でプーチン大統領の考えはとても正しい。この考えに従って、われわれが行動していけることを願っている」と同意し、冷戦終結後、最悪の水準にまで落ち込んだとも言われるロシアとの関係改善に意欲を示しました。


トランプ氏は、次の国務長官にロシアとの関係が深いことで知られる大手エネルギー企業のCEO、ティラーソン氏を起用すると発表し、中東のイスラム過激派対策などでロシアとの協力を目指す考えを示しています。

トランプ次期大統領に外交政策を提言してきた1人、ジョージ・メーソン大学のフランシス・バックリー教授は、NHKのインタビューに対し、「世界秩序の中で、ロシアと二極分化するのではなく、戦略的な同盟関係を築いていく必要がある。もちろん、ウクライナ問題や、NATO北大西洋条約機構の加盟国に影響力を拡大させようとする問題について、われわれが退くことはできないし、ロシアとの関係構築は慎重に行う必要がある。それでも、ロシアも今、アメリカとの交渉を望んでいるはずだ」と指摘しました。


そのうえで、「特にシリア和平においてはロシアと同盟関係を築ける可能性がある。トランプ氏とプーチン大統領はすでにこの件で話をしている。逆にロシア抜きにしてシリア問題は解決できない」と述べ、トランプ氏は、シリアの和平実現に向けてロシアと戦略的な協力関係を築くことを目指しているとしています。


また、トランプ氏の上級アドバイザーを務めたジャック・キングストン元下院議員も、今月上旬に行ったNHKとのインタビューの中で、「トランプ新政権は、中東の安定を目指しており、それには過激派組織IS=イスラミックステートの壊滅に向けて協力する国が欠かせない。その意味でロシアとの協力も必要だろう」と指摘しています。


キングストン氏は今月中旬、モスクワを訪問して、現地でアメリカ企業関係者と会っていたことがアメリカメディアで報じられ、トランプ氏がウクライナ問題をめぐってロシアに科してきた制裁を将来的には解除することも念頭に置いているとも指摘されています。


ロシアのプーチン大統領はモスクワで23日、1年を締めくくる記者会見を開き、アメリカがヨーロッパやアジアで計画を進めるミサイル防衛システムについて言及しました。この中で、プーチン大統領は「ミサイル防衛システムを突破する観点からも、核戦力を向上させる」と述べ、戦略爆撃機や核ミサイルを搭載できる原子力潜水艦などの兵器を改良し、攻撃能力の強化を図る考えを改めて強調しました。


そのうえで、「ミサイル防衛システムを作るよりも、攻撃能力を強化するほうがはるかに効果的だ」と述べ、アメリカとロシアの核戦力のバランスは維持できると自信を示しました。ミサイル防衛システムをめぐってロシアは、アメリカの狙いはロシアの核戦力を無力化することだと不信感を強め、世界と地域の安定を危うくすると強く反発しています。


一方、プーチン大統領は、アメリカのトランプ次期大統領について「どうしたら米ロ関係が改善できるか一緒に考えている」と述べ、アメリカとの関係改善を進めたいという考えを示しました。


中国外務省の報道官は、世界の2大核保有国である米国とロシアは、世界の非核化に向けた動きを主導する責務を負っていると指摘した。

  トランプ氏はニュース専門局MSNBCの番組「モーニング・ジョー」に電話を通じて出演し、放送されていない時に司会者のミカ・ブルゼジンスキー氏に対し「軍拡競争が起こるのならそれでよい。われわれはあらゆる点で勝り、どの国よりも長く生き残る」と述べた。トランプ氏の発言はブルゼジンスキー氏と共同司会者のジョースカーボロ氏の説明に基づく。


原題:Trump Is Said to Exhibit Little Concern About Nuclear Arms Race(抜粋)


核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けて来年から交渉を開始するという国連総会の決議が、113か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカなど核兵器保有国に加え、段階的な核軍縮を主張する日本も反対し、国際社会の足並みが大きく乱れる形となりました。
この決議は、核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けて来年の3月から国連で各国が交渉を始めるというもので、核兵器保有しないオーストリアなど50か国以上が共同で提案し、ことし10月に国連総会の委員会で賛成多数で採択されました。


23日には国連総会でも決議案が採決にかけられ、過半数の113か国が賛成して決議は採択されましたが、中国とインドを除く核兵器保有国がいずれも反対しました。
また、唯一の戦争被爆国として核兵器の廃絶を訴えながらアメリカの核の傘の下にある日本も、核軍縮核兵器保有しない国と核保有国が協力して段階的に進めるべきだとして再び反対しました。


軍縮に詳しい国連外交筋は「核保有国が核兵器の近代化と増強という方向へ進もうとしている現実と、核軍縮を進めようという国連の中での議論のかい離が大きくなっている。条約の交渉は厳しいものになるだろう」と指摘しています。


決議の採択を受けて、来年3月から核兵器禁止条約の制定に向けた交渉が始まることになりますが、国際社会の足並みが大きく乱れる中、今後の世界の核軍縮の流れにどのような影響を及ぼすのか注目されます。

核兵器を禁止する条約の制定に向け交渉を開始するとする国連総会の決議について、アメリカのウッド軍縮大使はNHKの取材に対し、「北朝鮮の核開発問題など、現在の不安定な世界情勢を無視した議論で、失敗するとしか思えない」と述べ、核兵器の禁止を急いでも核軍縮にはつながらないという考えを強調しました。


核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けた交渉を始めるとする決議が国連総会で採択されるのを前に、国連で核軍縮の交渉に当たっているアメリカのロバート・ウッド軍縮大使はNHKのインタビューに応じました。


この中でウッド大使は、核兵器を禁止する条約に反対する理由について、「今の世界情勢は不安定だ。中国が台頭し、北朝鮮の核開発問題があり、ロシアも国際的な影響力を広げようとしている。この情勢の中で核兵器の禁止に向けた議論を始めることは無責任だ。失敗するとしか思えない」と述べました。


また、多くの国が核兵器の非人道性に強い懸念を抱いていることについては、「核兵器の議論には人道と安全保障の2つの側面があり、安全保障の面を考慮しない核軍縮の議論は極めて危険だ」と指摘しました。


さらに、核兵器禁止条約が停滞する核軍縮を後押しするのではないかという問いには、「核保有国が参加しない議論が、なぜ核廃絶につながるのか。条約の制定を強行することは的外れな努力としか思えない」と述べ、核兵器の禁止を急いでも核軍縮にはつながらないという考えを強調しました。