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ヨドバシは、かなり以前からネット通販に力を入れ、リアル店舗だけに依存しない体制を構築してきた。


首都圏向けの配送は川崎市にある「ヨドバシカメラアッセンブリーセンター川崎」が担っているが、同社はネット通販に本格的に対応するため100億円をかけて設備を拡張。5階建ての新施設は延べ床面積24万平方メートルと、アマゾンの小田原のフルフィルメントセンター(延べ床面積20万平方メートル)を上回っている。


また短時間配送を実現するため、都内には複数箇所(昨年9月の時点では13ヵ所)の小型物流拠点を整備した。


さらに同社は、即日配送を全国各地に広げるため、三重県や北海道、九州などに大型の物流センターを建設する計画を打ち出している。三重県の物流センターについては土壌の改良工事で問題が発生し、計画が頓挫した状態にあるが、他の量販店と比較した場合、ネット通販で一歩も二歩もリードしているのは間違いない。


同社の2016年3月期の売上高は6796億円。量販店最大手であるヤマダ電機の1兆6127億円と比較するとかなり小さい。また最大のライバルでもあるビックカメラとの比較でも、売上高では後塵を拝している(ビックカメラの2016年8月期の売上高は7791億円)。


だが、ヨドバシの経常利益は512億円であり、他社と比較すると利益率が高い。これはむやみに大量出店しなかったことや、ネット通販事業の割合が高いことが功を奏した結果であろう。


こうした独特の経営が維持できているのは、量販店大手としては珍しく、非上場を貫いているからである。ネット通販事業は創業者の長男である藤沢和則副社長が統括しているが、ネット通販へのスピーディな対応は、創業家出身の経営者と非上場という組み合わせによってもたらされたといってよいだろう。

ネット通販各社の配送サービス競争は、今後、さらに激化しそうな状況だ。


ヨドバシに続いて、今度はディスカウント・ストア大手のドン・キホーテが最短58分で商品を配送するという驚くべきサービスを発表したからである。


新サービスの名称は、アマゾンのプライムナウにかけて「majica Premium Now」。同サービスは、専用サイトで注文した2000円以上の買い物について、最寄りの店舗から最短58分で配送するというもの。


対象エリアは店舗から半径約3キロ以内で750円の配送料がかかるが、2時間枠内での配送でよければエリアが半径5キロに広がり、配送料も無料となる。対象となる商品は約2500種類。とりあえず東京都大田区の「MEGAドン・キホーテ大森山王店」でサービスを開始し、順次、対象店舗を広げていく予定という。

ネット通販は、価格やポイントではなく、配送ルートや配送要員という、より根源的な部分での競争にシフトしつつある。ここを制した企業が次世代の覇権を握ることになるだろう。

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http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170209#1486636599