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応仁の乱は、今から550年前の1467年に始まり、京の都を中心に11年も続きました。教科書にも登場し、名前はよく知られていますが、将軍家の後継者争いと有力大名の対立が複雑に絡み合い、乱の原因や展開は非常に複雑です。

この本の著者は、日本中世史が専門で国際日本文化研究センター助教の呉座勇一さん。応仁の乱について「多くの失敗を重ねていった結果なので、わかりやすく単純明快に説明するのが非常に難しい」と考え、複雑な乱の実態を単純化しすぎないように気をつけたと言います。

「一度始まってしまうと、なかなか終わらせることができない。参加している大名からすると、途中で明らかに損している状況になった。だから早く終わらせなければとみんな思ったはずで、終戦の努力は何度も行われたが、ちょっとしたメンツにこだわったり保身に走ったりと、反対する人が出てきてご破算になるという形で、ずるずる長引いた。何のために戦っているのか誰にもわからない状況になってしまった」

応仁の乱というのは、英雄的な登場人物がまるで出てこない。このような歴史に興味を持たれる方がいるというのは、これはやはり今までとは歴史に求めるものが違ってきているのかなと。どうやって生き延びればいいのかと非常に悩んだり迷ったりしている人たちに、興味を持ってもらえているのではないかなと思う」

新書が予想を超えるヒットとなる一方で、応仁の乱をテーマにした小説にも関心が集まっています。垣根涼介さんが手がけた歴史小説で、ことし直木賞の候補にもなった「室町無頼」。応仁の乱前夜の京都を舞台に、一揆を起こそうと画策する浪人や、棒術を極めて浪人に仕える若者の姿などを描いています。

新書「応仁の乱」は権力者を中心とした記述が続きますが、この小説に登場するのは、秩序や権威にあらがい、新たな生き方を模索する庶民たちです。
「実際に制度が古びて苦労するのは、足利義政日野富子ではなく、その下で生活している庶民。私は物書きなので、まず、庶民の立場から書きたい」と垣根さんは説明します。

「(室町時代も今も)結局、社会、国が守ってくれることを完全に期待していていい時代ではない。そういう時代の中でどうやっていくのかというのが、『室町無頼』に登場させた主人公たちにも、今生きている人間たちにも共通して言えるテーマではないかと」

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