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特別養子縁組は原則6歳未満の子どもと血縁関係のない大人が、裁判所の許可を得て法律上の親子関係を結ぶ昭和62年に設けられた制度で、去年3月までの1年間には、全国で467件が成立しています。


あっせんを行っているのは一部の児童相談所や民間団体で、人身売買につながるおそれがあるとして、営利目的のあっせんは法律で禁じられ、受け取ることができるのは手続きにかかる費用や人件費などの実費に限られています。


ところが、実費の明確な基準はなく、4年前には、東京のあっせん団体が一律に120万円を受け取っていたことが明らかになり、東京都から業務を改善するよう指導を受けました。


こうした状況を受けて去年12月、あっせん事業をそれまでの届け出制から、都道府県などの許可制にしたうえで、手数料の内訳の説明や事業計画の公表を事業者に義務づける法律が新たに成立し、厚生労働省が来年12月までの施行に向けて、手数料の具体的な基準などの検討を進めています。


さらに虐待や経済的な理由などで児童養護施設に預けられている子どもが、おととし10月時点でおよそ2万8000人となる中、厚生労働省は家庭的な環境で生活するのが望ましいとして、特別養子縁組を推進させる方針を打ち出し、現在、対象年齢としている「6歳未満」を、引き上げることを検討しています。


その一方であっせん事業を行っているNPOなどは、利益を禁じている今の制度では運営費を寄付で賄う必要があることや、育ての親について要件などが決まっておらず、業者によっては、不適切な縁組が行われかねないと指摘し、制度の普及に向けて財政支援やルール作りを急ぐよう訴えています。

特別養子縁組に関する厚生労働省の専門家会議の委員を務める日本女子大学人間社会学部の林浩康教授は今回の事件について、「あっせん業者の人件費などの基準が決められておらず、金額が業者によってあいまいなのが問題だ。国は縁組を希望する人との金銭のやり取りを含め、具体的なルール作りを急ぐ必要がある」と指摘しています。


そのうえで「より多くの金銭を支払った人が優先されてしまうと、子どもがお金を生み出す商品として扱われてしまいかねない。国は公的な財政支援をする一方であっせん業者へのチェック体制を強化すべきだ」と話しています。

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