二流の経営者と一流の経営者は何が違うのか https://t.co/4YzN3dBux1
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2017年3月10日
会社が倒産する原因の80%以上は経営者にある。会社は経営者の器以上にはならないといわれる。会社の結果のほとんどは、経営者次第で決まってしまう。
世界のソニーが、往時の輝きを失ったのも、かつて史上最大の赤字額を計上した、日立製作所が立ち直ったのも、その原因は経営者にある。
私が経営者研修でモスクワに行ったとき、ロシア人のビジネスマンから聞いたロシアの諺が「魚は頭から腐る」である。新入社員がダメだから、会社がダメになるということはあり得ない。会社が腐るのは、経営者という頭が腐っているからだ。
王道経営の経営者は、正しい風を吹かせ続ける。会社の中によい風が吹きぬけると、そこにはよい社風が生まれる。その結果、社格が高まる。そこには企業文化が生まれる。人間に人徳というものがあるのと同様に、会社にも社徳があり社格がある。
組織の大小にかかわらず、すべからくトップの影響力は大きい。
コンビニエンス・ストアトップのセブン&アイ・ホールディングスの役員から、こんな話を聞いたことがある。店舗で最も影響力の高い可変要因は何かを問うたところ、「ほぼ店長で決まる」という答えが返ってきた。業績の悪い店であっても、よい店長に代えるとたちまち業績が回復するというし、逆に業績のよい店でも店長ひとりがお粗末な店長に代わっただけで、業績は数ヵ月で転落傾向をたどるということだ。
私は、この話を聞いて大いに共感を覚えた。
多くの企業不祥事は現場で起きる。東芝や三菱自動車のように経営者が率先して損失隠しの音頭を取るようなことも時にはあるが、多くの場合、耐震偽装や食品の表示偽装、車の性能偽装など、不祥事は現場で発生する。
しかし、現場で起きたことは、その原因を遡っていけば必ず経営者に行き着く。企業不祥事で、経営者の意思や考え方と関わりなく、現場が勝手に暴走したというケースはめったにない。
高潔な人格の経営者の下では、邪な社員は生きづらいものである。社員が邪道の仕事を行っているならば、必ずその原因は経営者にあると思うべきだ。まさに「魚は頭から腐る」である。そして、光るときも頭から光る。