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サルマン国王は12日夜、専用機で羽田空港に到着し、あらかじめ、日本に持ち込まれていた専用の電動タラップを使って降り立って、皇太子さまの出迎えを受けました。サウジアラビアの国王が日本を訪問するのは1971年以来、46年ぶりです。


サウジアラビアは、日本が原油の3分の1を依存する大産油国ですが、原油価格の低迷で深刻な財政難が続いていて、国の将来への危機感から石油生産に依存しない脱石油を目指す経済改革を進めようとしています。


今回の訪問はこの計画への協力を求めるのが目的で、サルマン国王は13日、安倍総理大臣と会談して、新たな産業の創出に向けた技術支援や人材育成などの協力について話し合い、合意文書を取りまとめることになっています。


また、内戦が続くシリアや過激派組織IS=イスラミックステートへの対応など、中東地域の安定化に向けた方策についても話し合うものと見られます。


関係者によりますと、サルマン国王の今回の訪問には閣僚や王族など、およそ1000人が随行しているということで、その規模の大きさにも注目が集まっています。

関係者によりますと、今回のサルマン国王の訪問には、王族や政府関係者などおよそ1000人が随行しているということです。


訪問団の一部が滞在する東京・港区にあるホテル周辺の道路には、関係者が移動するために用意された黒塗りの高級車のハイヤーが10台余り並んでいました。


ハイヤーの中には神戸ナンバーや、なにわナンバーをつけた車もあって、随行員の移動用に東京近辺の車だけでは足りず、関西地方からも集めたものと見られます。

サウジアラビアは、アラビア半島に位置する王国で人口およそ3200万の世界屈指の原油生産国で、国家収入の7割以上を石油に依存しています。


絶対君主制を敷くサウド家イスラム教の厳格な解釈に基づいた統治を行い、サルマン国王まで6代にわたって、初代のアブドルアジズ国王の息子たちが国王の座を継いできました。


サウジアラビアの西部には、メッカとメディナイスラム教の2大聖地があり、国王は代々、その守護者を名乗り、サウジアラビアは世界各国から巡礼者を受け入れています。


また、世界第2位の豊富な原油埋蔵量をもとにOPEC=石油輸出国機構で大きな影響力を持っています。


サウジアラビアオイルマネーを国民に分配する形で、一握りの王族が権力を独占する支配体制を築いてきました。労働人口の3分の2は公務員で、税金はなく、医療や教育も無料で提供されています。また、光熱費や水道料金などを安く抑えるために多額の補助金が投入され、ガソリン代は1リットル当たり日本円で30円未満です。


しかし、原油価格の下落で財政赤字が続く一方、人口が速いペースで増え続けていて、オイルマネーによる、いわゆる「ばらまき政策」は限界に近づきつつあります。


このため、去年打ち出した経済改革では、ガソリン代など光熱費を国際的な市場価格に近づけることや、来年以降の付加価値税の導入などが掲げられていますが、そうした「痛みを伴う改革」で国民の不満が高まれば、王政の基盤を揺るがしかねないため、改革の実現は容易ではないと言われています。

サウジアラビアは、脱石油を目指す経済改革に向けて、外国企業の誘致や、就業意識が低いと言われる若者の職業訓練に力を入れていて、ここ数年の間に日本の製造業などが相次いで進出したほか、自動車メーカーや電機メーカーが現地の職業訓練校に協力し、若者たちに技術を教えています。


こうした中、金属メーカー、東邦チタニウムも、サウジアラビアの西部ヤンブーに、航空機やプラントなどの原料となる「スポンジチタン」という金属を製造する工場を5月にも完成させる予定です。


これに合わせ、この会社では新工場の操業を担うサウジアラビア人の若者67人を1年半から2年にわたり、北九州市にある工場で研修させ、機械の操作などを教えていました。


研修を受けたサウジアラビアの若者たちは「日本で教わった技術、教育、経験などを生かし、全力を尽くして、母国でのプロジェクトを成功させたい」などと話していました。


こうした職業訓練について、JETRO=日本貿易振興機構リヤド事務所の三束尚志所長は「サウジアラビアにとって、特に若年層の雇用を創出したいと言うのが切実な要望だ。日本の人材教育は定評があり、製造業の誘致と人材育成をセットにした取り組みに大きな期待を寄せている」と話しています。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170310#1489142969

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