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米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はトランプ政権下となって間もない米国について、2つ言いたいことがある。「米国は類いまれな国」であると同時に、「何かが間違っていることは明白」ということだ。


  ダイモン氏は4日付で株主に宛てた45ページにわたる年次書簡の中で、米国がこれまで以上に強くなっているさまざまな例を列挙した上で、同国が自ら招いた諸問題の長いリストを掲げた。


  記述するのに「気がめいる」としたダイモン氏はまず、今世紀に入って米国が戦費に何兆ドルも費やした点や債務まみれの学生、同国の大学で高い学位を取得しても外国人が残留できず国外退去を迫られたり、時には比較的軽度な違反で重罪となり多数の米国人が職場を追われるシステム、規制の縛りで抑制された住宅市場を挙げた。


  ダイモン氏はトランプ大統領が雇用拡大に向けて設置したビジネスフォーラムの一員で、楽観的な見方で知られる。大統領の経済政策の一部に既に支持を表明。2月には新政権が税制改革や規制緩和、インフラ投資などの計画を実行に移せば米国の未来は明るいとし、3月のインタビューでは米消費者と企業の信頼感向上に大統領が寄与し、「アニマルスピリッツを呼び覚ましたようだ」と評価した。


  ところが、4日の書簡からは懸念材料があふれ出た。労働参加率が低いとしたほか、都心の貧困層の子供に教育が行き届かず、高等・専門学校が就職に役立つ技術を教えていないとしたほか、国内で主要空港が20年以上も新設されないインフラ計画・投資の欠如も指摘。厄介な法人税制や過剰規制も挙げた。


  一方で、JPモルガンの成長や利益を伸ばす能力については引き続き楽観的な姿勢を示した。また、同行幹部らが米国や世界経済の基調的成長に自信を持っているとも付け加えた。


  それでも米国は判断の誤りの代償を払うだろうとして、学校や政府、企業を含む「機関への信頼感と自信が必要だ」と結論づけ、「お金をかけなくとも経済成長を助ける『秘伝のソース』は自信だ」と強調した。


原題:Dimon, Still Optimistic, Warns ‘Something Is Wrong’ With U.S.(抜粋)
原題:Dimon Alarmed That Foreigners With Advanced Degrees Can’t Stay(抜粋)