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「大数学者オイラーは、証明で分かるようでは本物でないと述べています。直観的に理解してこそ、真に分かったといえるのだと。しかし、近代の物理は難しくなりすぎてしまい、みんな消化できなくなっています。証明を追いかけるだけで精いっぱい、というのが偽らざる現状でしょう。そこでわたしは、専門的すぎず、かといって単純化しすぎない、中間レヴェルの本を書くことで、直観的な理解を促せるのではないかと考えたのです」

さて、若くして不朽の名著を書き上げた長沼は、その後「在野の研究者」として静かに時を重ねた。むろん大学に残って研究を続けることもできただろうが、あえてそうしなかった理由について、長沼は次のように述べている。


「学問の最先端を追うことに労力を注ぐよりも、そもそも科学とはこれまで何だったのか、これから科学はどこに向かうべきなのか、じっくり考えたかったのです。きっと学問の人も、そうやって科学と時代の橋渡しをした人に対して、むげにはしないだろうとも思っていました」

『物理数学の直観的方法 〈普及版〉』(長沼伸一郎):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部

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