一冊の小説を読んで情景を思い浮かべるのと同じかそれ以上に、一本の数式を相手にその向こう側に空間や運動、さまざまな写像などをありありと見抜く想像力、精神的な構えが必要不可欠なんですよね。音符については子供のころから自然にやっていたけれど、今頃になって同じだな、と気づく^^
— Ken ITO 伊東 乾 (@itokenstein) 2017年4月26日
19世紀後半から20世紀にかけて、人類は、科学や技術、政治・経済、思想などの面で大きな飛躍を遂げたが、その中で記号の使用は重要な役割を果たした。とりわけ自然科学においては、自然現象を記号化し操作できるようにすることが、新たな認識を深めることにつながった。
これにより、あらゆる認識は記号によってのみ実現するとまで言われた。今日に通じる記号論も同時期に研究が始まった。記号論は言語学の中から出てきたものであるが、単に言語における記号の働きを研究しただけでなく、記号(なお、記号論や記号学でいう「記号」は sign でも symbol でもなく、semiosis である)が人類にもたらす諸作用をも研究対象としていき、哲学における大きな柱の一つとなった。