コストコのピンチを知って、石油業界関係者は留飲を下げています。 - コストコのガソリン激安販売がピンチに陥った理由 https://t.co/SFLljvxO74
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2017年5月8日
そんなコストコのピンチを知って、石油業界関係者は留飲を下げている。
最大の要因は旧JXホールディングスと旧東燃ゼネラル石油の統合会社で、販売シェア50%超となったJXTGホールディングスの誕生だ。
これまでコストコは、燃料商社間で売買される石油元売りの余剰在庫、いわゆる業者間転売品(業転玉)を安く買いたたき、販売していた。この業転玉の主な供給者が旧東燃だったのだが、旧JXと統合したことで、これまでの業転玉は旧JX側の流通経路で吸収できるようになり、市場に出回る業転玉が激減したのだ。
これを受けて燃料商社も、「JXTG発足など業界環境の激変で市場の先行きが見通せなくなり、売買を控えている」(前出の業界関係者)ため、さらに業転玉の取引量が減少しているという。
加えて、元売り各社が燃料商社などの取引先に圧力をかけているという声もある。「元売りは業者に『販売先登録用紙』に販売先を記入させるのだが、最近は正規販売ルート以外を登録させないように厳しく管理している」(別の業界関係者)というのだ。
正規ルート以外、つまり燃料商社間の売買ルートを絞れば業転玉の取引量が減少する。結果的にコストコなどのガソリンスタンドが安売りできなくなり、ガソリン価格の上昇につながるからだ。
もともと石油元売り業界は、4月からエネルギー供給構造高度化法によって供給能力の削減が義務付けられていた。さらに、出光興産や昭和シェル石油は6月までに主要製油所の定期修理を行い、稼働を止める。そんな状況に前述した要因が重なり、業転玉の取引量が4月以前に戻る可能性は低いという見方がもっぱら。コストコだけでなく、調達を業転玉に依存してきたガソリンスタンドのピンチは続きそうだ。