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チェコに本社がある情報セキュリティー会社「アバスト」は12日、世界各地で病院や企業などが大規模なサイバー攻撃を受け、業務が妨害される事態が相次いでいると発表しました。


サイバー攻撃はコンピューターの基本ソフト「ウィンドウズ」を標的にしていると見られ、ファイルを勝手に暗号化して利用できなくしたうえで、元に戻すために金銭を要求する「身代金要求型」のウイルスが使われています。


ウイルスに感染すると、画面上に仮想通貨「ビットコイン」で300ドル相当の支払いを求めるメッセージが表示され、支払期限を示すタイマーが作動し始めるということです。


アバストによりますと、こうした被害は、12日だけでもロシアやイギリスなど世界の99の国や地域で合わせて7万5000件以上に上っているということです。


このうちイギリスでは、各地の病院のコンピューターが攻撃を受け、診察の予約がキャンセルされたり、救急搬送されてきた患者がほかの病院に搬送されたりする事態が起きています。


アバストは、サイバー攻撃がまだ続く可能性もあるとして、コンピューターのセキュリティーを強化するよう警戒を呼びかけています。

国内の複数の情報セキュリティー会社によりますと、今回のサイバー攻撃に使われたものと同種のウイルスは日本国内でも検出されていて、現在、各社が分析を進めていますが、今のところ大きな被害は確認されていないということです。


今回のウイルスは、「身代金要求型」と呼ばれるタイプのもので、ウイルスを仕込んだメールの添付ファイルを開いたり、不正なプログラムを仕込んだサイトを見たりすることで感染することが知られています。


ただし、今回のサイバー攻撃では、どのような経路で感染したか、詳しいことはまだ分析中だということです。


また、これまでの分析では、今回のウイルスはマイクロソフト社の基本ソフト「ウィンドウズ」の特定の欠陥を突いて感染するタイプであることがわかったということです。


1台が感染すると、同じネットワークにつながっているパソコンに感染を広げていくため、大規模な被害につながったと見られています。


ただし、この欠陥は、ことし3月に公表され修正用のプログラムも無料で配られているため、これを適用していれば感染は防げるということです。今回のウイルスを解析している情報セキュリティー会社「カスペルスキー」の石丸傑リサーチャーは、「対策としては、使っているソフトを常に最新の状態に保っておくことに加え、万が一に備えバックアップをとっておくことが重要だ」と話しています。