なぜ、試験勉強を始める前に、全範囲をざっくりと見る必要があるのか? https://t.co/301SgOft5V
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2017年6月23日
まず、最初に過去問を全範囲、ざっくりとレビューします。
問題の形式や同じ問題がどれくらい出るかなどの出題傾向を分析するために過去問を見ますが、ここでは、それとは違い、試験内容の全体像をつかむために全範囲を見渡していきます。
たとえるなら、スポーツチームに新しく赴任してきた監督が、まずチームの戦力や状況をざっとチェックし、そのうえで練習メニューをどう組んでいくか、決めていくようなイメージです。
過去問は、最低でも直近5回分、できれば10回分を入手します。それを、1ページ1秒くらいの速度でめくっていきましょう。よくわからないワードがあっても途中で止まらず、ペースを保ったまま、最後までざっくりと目を通してください。
見ていくときに意識しておきたいポイントは、次の2つです。
(1)試験範囲の全体像・体系・構造・流れ
全範囲をざっくり見ることで、試験全体の構造がわかるようになります。細かい意味はわからなくてもいいので、「この問題は◯◯について聞いているんだな」というふうに、問われているテーマをまずつかむようにしましょう。第1章の段階では「こういう分野、こういうキーワードが出てくる」というのを意識しながら過去問を見たと思いますが、それをここでもう一度やってみるのです。一度見た映画をDVDで見直すような感覚だと思ってください。最初に見たときはわからなかったことも、この段階でもう一度見ることで、試験全体の内容や情報が整理されてくるはずです。
(2)今の自分の知識量と照らし合わせた情報
「この内容はもう知っている」「勉強したことはあるが、細かいところは忘れている」「まったくわからない」など、今の自分の知識量と比較しながら見ていきましょう。
そのうえで、「ここは集中的にやろう」「ここは軽く流そう」などの方針を整理し、それをもとに月曜日から金曜日の間にやることを決めていきます。
この作業は、これまでもお話ししてきた、「合格ラインと自分の現状とのギャップを埋める」ことにつながります。
過去問だけやっておけばいい試験なら、以上でじゅうぶんですが、公式テキストや公式参考書のようなものがある試験の場合は、それらにも目を通しておきましょう。
その際も、基本的には過去問の場合と同じように(1)と(2)を意識して見ていくのですが、追加で以下のポイントにも注意して見ていきます。
(3)前のほうの内容を理解していないと後の部分がわからない構造になっているか
試験には、数学のように公式や概念を順を追って理解していかないといけないものと、逆に、日本史などのように各パートが独立していて後ろのほうからやっても理解できるものがあります。前者なら、最初から順序立てて勉強していく必要がありますし、後者なら、順序を気にせず、好きな箇所から手をつけることも可能です。これは過去問だけを見ていてはわかりづらいので、テキストや参考書から探るのがいいでしょう。
(4)テキストの内容を過去問の出題傾向と照らし合わせた情報
過去問と照らし合わせることで、よく出るポイント、出ないポイントがより明確になります。テキストに書いてあっても過去問にない内容は、出題される可能性は低いので、思い切って捨ててもいいとわかります。
そのほか、テキストや参考書には、重要ポイントをわかりやすくまとめた図表などがあるので、そのような内容をさらっとながめておくのも有効です。
このように全体を見渡すと、「自分は今このあたりにいるから、ゴールまでにはあとこれくらいの量をやる必要がある」という「道筋」のようなものがわかってきます。
最初に全体を見ておくことは、「心の準備」にもなります。全体を把握しないまま場当たり的に勉強していくと、あとになって「えっ、こんな内容まで出るの!?」と、焦ってしまいがちです。
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