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5月下旬に同社が発表した17年3月期決算。目を引いたのは現預金の積み上がりだ。短期資金の主な運用手段であるコールローンも同様に前年同期と比べほぼ倍増の約2000億円となり、現預金と合わせて1兆円を超えた。


同社は通常、保険金の支払いへの備えや有価証券などへの投資に充当されるまでの待機資金として数千億円程度の短期運用マネーを保有しているが、これほどまで増加したことはほとんどない。


生保各社は日銀の大規模緩和以降、超長期国債金利低下で運用難に直面。他の大手生保などでも、投資先を見失った資金が現預金として滞留する傾向にあるが、住生の現預金の急増は債券貸借取引の積極化が原因と同社の藤村俊雄運用戦略室長は説明する。


同社の17年3月末の貸借対照表では、「売現先勘定」として約5570億円が計上されている。前年同期はこの項目には金額は計上されていない。また、「債券貸借取引受入担保金」として、約7000億円とあり、これは前年同期から1000億円以上増えている。


どちらも住生が保有する国債などの債券を貸すことで、貸借料を受け取るレポ取引だ。同時に取引の相手から担保として現金を受け取るため、同社の現預金が積み上がった。レポ取引終了時には住生は債券を返してもらうと同時に、担保の現金を相手に返すことになる。


藤村氏によると、国内金利の低下を受け、約2年前から収益確保のために資産の有効活用を検討し始めたという。「保有している債券を寝かせておくよりも、貸し出すと品貸料がもらえる」(藤村氏)。