https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


中国に返還されてから20年を迎えた香港では今、さまざまなひずみが生じています。その背景にあるのが増え続ける中国本土からの移住者の存在です。


香港で生まれ育った人が“香港人”と呼ばれるのに対し、ビジネスチャンスやよりよい教育環境を求めて、返還後に香港に移住した中国本土出身者やその子どもたちは“新・香港人”と呼ばれています。
その数は20年間で、延べ140万人。再び本土に戻った人もいますが、全員が住み続けていると仮定すると、今の香港の人口の5分の1近くにあたります。


香港が中国に返還されてから1日で20年となるのに関連し、イギリスのジョンソン外相は先月29日、返還後の香港に言論や集会の自由を保障したイギリスと中国の共同声明について、「合意を守り続けていくことが香港の将来の成功につながる」という声明を出しました。


これに対して、中国外務省の陸慷報道官は30日の記者会見で、「香港は中国の特別行政区であり、香港の事柄は中国の内政に属する。返還されてすでに20年となり、1つの歴史文書である共同声明はいかなる現実的な意味も持たない」と述べ、事実上、拘束力を持たないとする見解を示しました。


これを受けてイギリスの外務省は30日、「共同声明は国連にも認められた法的拘束力を持つ条約だ」としたうえで、「イギリスは調印国として、合意が守られているのか注視していく」と反論し、中国側をけん制しました。


イギリス政府はEU=ヨーロッパ連合からの離脱を見据えて、中国との関係強化を目指していますが、国内のメディアや人権団体などからは経済を優先するあまり、人権や自由の問題が後回しになっているという批判も出ています。


香港では1日午前、中国本土を含む各界の代表らが出席し、イギリスから中国に返還されて20年になるのを記念する式典が開かれました。


式典ではまず、香港政府のトップに選ばれた林鄭月娥行政長官が中国の習近平国家主席に向かって就任の宣誓を行いました。


このあと習主席が演説し、返還の際に導入された香港に高度な自治を認める1国2制度について「世界が認める成功を収めた」と強調しました。


その一方で習主席は「1国2制度は新しい問題に直面していて、香港の安全な発展のためにはさらに完全なものにする必要がある」と述べ、香港で中国の影響力の拡大に対する不満が広がり、一部で独立を求める主張が出ていることに懸念を示しました。


そして「1国という意識を高め、1国の原則を堅く守る必要がある。国の主権を脅かすいかなる活動も、中央の権力などに対する挑戦も絶対に許さない」と述べ、独立の主張を強くけん制しました。