米国産牛肉の輸入量大幅増 来月「セーフガード」発動へ #nhk_news https://t.co/0iFsxyH5J6
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年7月26日
「セーフガード」は、農産品や工業品の輸入量が急増した場合に国内の産業を保護するため、WTO=世界貿易機関の協定に基づいて関税を引き上げることができる緊急の輸入制限措置です。
このうち外食業界が牛丼や焼き肉などに使うことが多い冷凍牛肉は、3か月間の輸入の増加率が前の年の同じ時期より17%を超えた場合自動的にセーフガードが発動されるルールになっています。
関係者によりますと、オーストラリア産の牛肉が、干ばつで生産が落ち値上がりした影響で、ことし4月から6月にかけて比較的安いアメリカ産の冷凍牛肉の輸入量が増え、基準を上回る見通しになったということです。
このため政府は、来月1日にアメリカ産などの冷凍牛肉を対象にセーフガードを発動する見通しになりました。期間は来年3月31日までで、これによりアメリカ産の冷凍牛肉にかかる関税は、現在の38.5%から50%に引き上げられます。
農林水産省によりますと、輸入牛肉にセーフガードが発動されるのは、平成15年以来、14年ぶりだということです。
政府は28日に発表される貿易統計で、ことし4月から6月までのアメリカ産の冷凍牛肉の輸入の増加率を確認したうえで、セーフガードの発動を正式に決めることにしています。
アメリカのトランプ政権は、中国や日本などとの間の貿易赤字が巨額に上っていることを問題にし、貿易不均衡の是正のため日本に農産物の輸入拡大などを求めています。今回の措置は、国際的な貿易ルールに基づいた対応ですが、牛肉の輸入制限を実施すれば、アメリカ側の強い反発も予想されます。