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 しかし、景気のサイクルから推測すると、FRBもECBも正常化策の完了前に次のリセッション(景気後退局面)がやって来る可能性がある。つまり、今回の景気拡大局面では完全には出口に到達できず、数年後に金融緩和策に再び転じるのではないかと思われる。


 そのとき困ってしまうのは日本銀行だ。今の日銀は金融緩和策の全開状態。今年5月、バーナンキ氏も来日講演で指摘したように、追加緩和策の余地はほとんど残されていない。そこで米・欧の中央銀行が緩和策に転じると、円高を止めるすべはないことになる。


 また、中期国債がマイナス金利、10年国債金利がゼロ%近辺というイールドカーブを日銀が今後も維持すると、2018年以降に経営状態が深刻化する地域金融機関が数多く現れる懸念がある。「日銀発の金融システム不安」という奇妙な事態が起こる恐れもある。


 来年4月8日以降、日銀の黒田東彦総裁が続投しようと、他の人物が引き継ごうと、日銀は2%のインフレ目標を撤回したがらないだろう。しかし、前述のような問題を避けるには、米・欧の中銀が正常化を進めている間に、日銀は要領よく柔軟に、金利水準の若干の引き上げを行うといった現実的な対応策を採るべきである。

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