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指針をまとめた東京大学の中野明彦教授は「指針に載っていない言葉は教えてはいけないという意味ではないが、生物学は地球が直面するさまざまな問題と密接に関係していて、暗記ではなく、考える力を養うような科目にしてもらいたい」と話しています。

中野教授は、分類のための用語を覚えるのではなく、なぜ生物は海の中からより重力の負荷がかかる陸上に上がり、どのように体の仕組みを変化させながらさまざまなグループに分かれたのか、仮説を立てて考え、課題を解き明かしていくような学習のしかたが重要だとしています。


また1つの受精卵から動物が誕生するまでの過程を学ぶ「発生」では、教科書によっては、多いものでは80の用語で説明していますが、指針では半分以下となる34にまで絞っています。


その代わりとして、生物が1つの細胞からどのように誕生するのか、その仕組みを理解することで生命の奥深さを知り、関心を持ってほしいということです。


中野教授によりますと「『生物』は正解が必ずしも1つになるものばかりではなく、さまざまな視点で物事を捉えて考える力を養うことは、生物学ではもちろんだが、社会に出て問題解決を図るうえでも必要な力になる」としています。