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「手帳はいかにして白にしておくかが重要。それは重要度の高い予定だけを書き込み、時間を充てていくことです。そのためには『時間ドロボウ』からスケジュールを守る必要があるのです」(野口氏)


 時間ドロボウとは優先度や緊急度が低い事案を割り込ませてくる厄介な存在のこと。たとえば、会合と称する飲み会やただ座っているだけの会議などだ。

 では、スケジュール管理の肝となる「重要なこと」とは何か。たとえば、資格取得のための勉強やアイデアの元となる知識のインプット、新しい企画の立案など。10年後の自分や将来の目標を見据えた、計画や行動をスケジューリングしていくことだ。


 野口氏によれば「どうしても後回しになりがちな未来のことを予定に組み込むには、最低でも3カ月先のスケジュール管理が必要になる」のだという。


 しかし、多くの手帳はウイークリーで管理をする形式で、マンスリータイプの場合は書き込むスペースが小さく、必要な情報を収納しきれない。さらに、複数月を一覧するにはページをめくるか壁掛けのカレンダーとの併用を余儀なくされる。


 このジレンマを解決したのが、野口氏が考案した「超」整理手帳だ。スケジュールシートはA4サイズのジャバラ式で、各ページには一週間のカレンダーが並び、縦で週次のスケジュール管理が、横で月次のスケジュール管理が、そしてジャバラを開けば複数月のスケジュール管理が行える。

 では、野口氏は実際にどのように手帳を活用しているのか。その一つのキーワードが「デジタルとアナログの融合」だ。


「私は数カ月かけて本を執筆することが多いのですが、ほとんどの原稿をGoogleドキュメントの音声入力で行っています。これは浮かんだアイデアを逃さないためで、とにかく浮かんだ文章を入力して後で編集をして完成させます。原稿や資料のやり取りはGmailで行いますが、これらのデータをクラウドで同期しておけば必要なときにいつでも参照することができます」(野口氏)


 これにアナログの手帳を上手く併用することで、より効果的な仕事法を確立している。これは、スケジュール管理は手帳で行い、数カ月先まで見通しながら約束を入れていくもの。スケジュールを手帳に一元化することで、ダブルブッキングを防ぎ、さらに日付に紐づけて管理することで、スマホやPCから素早くデータを引き出すことができるのだ。


 たとえば「●月●日の講演会で使用した資料」と手帳から日付を確認し、その日付をキーにしてスマホで検索。そうすれば簡単に必要なデータにたどり着くことができると野口氏は語る。


「私の提唱する『超』整理法は“整理をしないこと”が特徴です。デタラメに記録していても日付に紐づけされているので過去十年分くらいのデータはすぐに出せます。そのインデックスの役割を果たすのが手帳なのです」(野口氏)


 また、野口氏がクラウドのカレンダーを使わない理由は「日付や時間、場所をいちいち入力しなければならず、面倒だから」だという。アナログの手帳なら件名だけを書けばよいし、複数の日付や週、月をまたいだスケジュール管理も手帳に線を一本引くだけで済む。それにクライアントの前でスマホをいじるのはビジネスマナー上、失礼になる場合があるが、手帳であればそうした心配をすることなく、スマートにしかも瞬時に情報の入出力が可能になる。