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一 迷ったときは、「損得」でなく「善悪」で判断せよ


二 「正道」を行ない、それを楽しめ


三 「分をわきまえる」ほど、強くなる


四 「勇気」だけは、誰にも負けてはならない


五 理不尽は理不尽のままでよい。自分が理不尽なことをせねばよい


六 「恩」は返せ。「恨み」は晴らせ


七 「当たり前」とは、不測の事態が起こること


八 自分を大事にしすぎるな。すべての悪事はそこから生じる


九 恥は堂々とかけばいい


十 「天」に問え

 西郷さんをはじめ、その弟・西郷従道、従兄弟の大山巌大久保利通村田新八など、幕末・明治維新に多くの偉人を生み出した薩摩藩には、独特の「郷中(ごじゅう)」と呼ばれる教育法がありました。「郷」というのは、当時の行政における最小単位で、薩摩藩には幕末当時、33ほどの郷中があったそうです。


 郷中の特徴は「教師なき教育法」で、先輩が後輩を指導し、同輩は互いに支え合う形を取ります。そうすることで、自らが生徒であり、教師でもあり、学びつつ教え、教えつつ学びながら、郷中のみなが一丸となって成長していくのです。


 西郷さんが学び育った下加治屋町郷中は、その優れた教育の仕組みによって、たくさんの素晴らしい人材を、世に輩出することができました。

 私は西郷家の一族である父と、日置島津家の一族である母との間に長男として生を受けましたから、子供の頃から島津家の方々も自宅に来ていました。


 母の血筋である日置島津家は、「丸に十字」の家紋で知られる島津家の分家です。関ヶ原の戦いの際、「敵中突破」でその名をとどろかせた戦国大名の雄、島津義弘公の弟・歳久公を祖とする家系です。その先代から数えて十六代の当主が母の弟にあたります。