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 ボルカー氏は「いくつか話したいことがある」と話し、こう続けた。「第2次世界大戦後に大学を卒業した当時、米国は世界の王だった。だが『米国の世紀』はやや劣化してしまった。歴史の成り行きというのは興味深いものだ」

 また、政府の非効率性に長年注目してきたとし、それは「改善するどころか悪化している」と指摘。「(初代財務長官の)アレクサンダー・ハミルトンだったら、すぐに効率性を十分高めてくれたことだろう。彼は『政府が効率的になるためには効率的な運営が必要』という言葉を残した。ハミルトンはその点で初期の『広報役』だった」と述べた。

 ボルカー氏によると、一般的な回顧録と違い、時系列で当時を振り返る形にはしないもよう。若い頃の話を幾つか挙げ、それが後年の考え方にどう影響したかについては記すつもりだが、そうした逸話の多くは過去の伝記でもう触れられていると同氏は述べた。


 新たに書き加えたいテーマとしては、中央銀行の重要性、国際関係や経済協力の維持、物価が安定していることの価値などがあるという。ボルカー氏はFRB議長在任時、当時深刻な影響を及ぼしていたインフレ問題の解決に取り組んだ。


 「FRBを退任した後も幾つかしたことがあり、それについても書かなくてはならない」と述べた。同氏はバラク・オバマ前政権下の2009年〜11年に経済再生諮問会議議長を務めた。2010年制定のドッド・フランク法(金融規制改革法)の柱の1つ「ボルカー・ルール」は、銀行がリスクの高い投資戦略に従事するのを防ぐ狙いで作成された。