https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


アメリカのシンクタンク「ソウファン・グループ」は24日、各国政府の発表などを基に、過激派組織ISの戦闘員の動向をまとめた報告書を発表しました。


それによりますと、シリアとイラクでISに加わった外国人戦闘員は4万人余りに上りますが、両国での軍事作戦でISが領土の大半を失ったことなどを受けて、少なくとも5600人がすでに出身国に帰還したと推計しています。このうち、最も多いのはトルコの900人で、続いて北アフリカチュニジアの800人などとなっています。


報告書では、帰還後当局に拘束されず行方がわからない元戦闘員の中には、テロを起こすおそれがある者もいるとして、「これから数年間、多くの国にとっての脅威になる」と警鐘を鳴らしています。


また、中には自国に戻らず、東南アジアなどの第三国に転戦するケースも出ているということです。さらに、戦闘員の妻や子どもについてもISに洗脳されているおそれがあるため、精神的なケアや社会復帰を促すための仕組み作りが課題になると指摘しています。

ソウファン・グループの報告書によりますと、帰還したISの戦闘員の数は、国別に次のように推計されています。


最も多いのが、シリアとイラクのどちらとも国境を接するトルコの900人で、続いて2番目がチュニジアの800人、3番目がサウジアラビアの760人、4番目がイギリスの425人、5番目がロシアの400人などとなっています。


また、シリアから戻った戦闘員や、ISの支持者などによるテロが相次いでいるEU=ヨーロッパ連合では、合わせて1200人が帰還したと見られています。


アメリカのワシントン近郊で24日、70か国余りの軍の代表が集まり、過激な思想の影響を受けたテロ事件など過激派対策について話し合う会議が開かれました。


このあと会見したアメリカ軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は、過激派組織ISが「首都」と位置づけていたシリアのラッカが制圧されるなど、ISが劣勢に立たされる中、今後、アフリカや東南アジアなどに逃げたISの幹部の一部が地元の武装勢力と結びつき、組織を再び活発化させるおそれがあると指摘しました。


そのうえでダンフォード議長は、フィリピン南部でISを支持する武装勢力と政府軍との間で続いた戦闘にISの外国人戦闘員が流入した例などを挙げ、「中東からアフリカやアジアへのISの流れを防がなければならない」と述べて、ISの戦闘員らが国境を越えて移動することを阻止する必要性を訴え、適応能力がある過激派組織と戦うために、各国と情報共有の徹底を図り、連携強化を一層、進めていく考えを示しました。